扇風機の羽根に貼ってあるシール、はがしてはいけないって本当?【家電のプロが解説】

AI要約

扇風機の羽根に貼ってあるシールをはがすべきではない理由について解説。

シールは安全性表示だけでなく、羽根のバランスを保つ役割も果たしている。

シールをはがすと不要な振動や音が生じる可能性があり、安全性を損ねる恐れがある。

扇風機の羽根に貼ってあるシール、はがしてはいけないって本当?【家電のプロが解説】

扇風機の羽根に貼ってあるシール。ついはがしたくなってしまう人もいるかもしれませんが、実際のところ、はがして問題ないのでしょうか。

「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。

(今回の質問)

「扇風機の羽根に貼ってあるシールをはがしてはいけない」って本当ですか?

(回答)

「触ると危険」を示しているシールは羽根の一部。絶対にはがさないでください。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

家電製品の安全性について定めている「電気用品安全法」において、扇風機やサーキュレーター、換気扇などが安全なもの(傷害等の危険が生ずるおそれのないもの)と見なされるためには、「触れた場合に危険である旨の表示が見やすい箇所にある」ことが義務付けられています。羽根に「触ると危険」と書かれたシールが貼られているのはこのためです。

「販売する際に義務付けられているだけで、購入者は自由にはがしてもいいでしょう?」と思うかもしれません。しかし、はがすとまずいのは安全性表示がなくなるから、だけではありません。

実はあのシール、羽根のバランスを取る役割も果たしているからです。

羽根のバランスを取るというより、「シールが付いた状態でバランスが取れるように設計されており、シールをはがすとアンバランスになって不要な振動が出る危険性がある」というのが正しい表現かもしれません。

実際に、筆者も試してみました。扇風機の羽根に貼ってあるシールをはがすのはまずいので、自宅にある扇風機の羽根に2センチ角ほどのサイズのビニールテープを貼って運転してみました。すると通常よりも羽根の回転がスムーズではなくなり、大きな音と振動が発生するようになりました。この実験では、ビニールテープをはがしたら無事に元通りに。しかしきっちりと貼られているシールをいったんはがしてしまっては、うまくくっつけられなくなってしまう場合があります。

「シールが貼られているとせっかくのおしゃれなデザインが台なし」と思う人もいるかもしれませんが、扇風機そのものの安全性を損ねたり、寿命を短くしてしまったりする危険性があるため、絶対にはがさないでください。

この記事の筆者:安蔵 靖志

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。