月の裏側から試料1935・3g持ち帰る…中国の無人探査機「嫦娥6号」

AI要約

中国の無人探査機「嫦娥6号」が月の裏側で土壌を採取し、1935.3グラムの試料を持ち帰った世界初の事例となった。

嫦娥6号は嫦娥5号よりも多い試料を持ち帰り、今後は月や太陽系の成り立ちに関する分析が進む見込み。

中国国家宇宙局は将来的に天問シリーズを活用し、小惑星や火星からの試料採取を行う計画を発表しており、基礎研究と宇宙技術開発を強化する意向。

 【ウランバートル=出水翔太朗】中国国営新華社通信は28日、月の裏側で土壌を地球に持ち帰った中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)6号」が、1935・3グラムの試料を持ち帰ったと発表した。月の裏側から試料を持ち帰ったのは世界初で、中国は今後、試料の分析を本格化させる。

 嫦娥6号は25日、中国・内モンゴル自治区の着陸場に到着した。採取量は、2020年に月の表側から試料を持ち帰った嫦娥5号の採取量(1731グラム)を上回った。試料の分析で、月や太陽系の成り立ちがわかる可能性があるため、基礎科学分野でも中国の存在感がさらに高まりそうだ。

 中国国家宇宙局は27日の記者会見で、無人探査機「天問」シリーズの打ち上げ計画を明らかにした。25年前後に2号で地球近くの小惑星から、30年前後には3号で火星から、それぞれ試料を持ち帰るとしている。4号は木星探査も予定している。同局幹部は「今後も基礎研究を強化し、宇宙技術の革新的開発を推進する」と述べた。