「ラストマイル」興収50億円の大ヒットでも…満島ひかり初の「最優秀主演女優賞」を阻む長澤まさみの存在

AI要約

9月13~15日の全国映画動員ランキングで、「スオミの話をしよう」が初登場1位に輝き、長澤まさみ主演の「ラストマイル」との対決を制した。

「スオミ──」の最終興収見込みは約25億円前後で、長澤との主演女優賞の争いも期待されている。

次回日本アカデミー賞での受賞に期待される長澤と、助演女優賞歴のある満島の対決が注目されている。

長澤と満島は10年前にドラマで共演経験があり、映画界で再び火花を散らすことになるのか注目されている。

どちらが女神の微笑を勝ち取るか、次回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞の行方が楽しみだ。

「ラストマイル」興収50億円の大ヒットでも…満島ひかり初の「最優秀主演女優賞」を阻む長澤まさみの存在

 9月13~15日の全国映画動員ランキングが興行通信社から発表され、「スオミの話をしよう」が観客動員数約31万3000人、興行収入約4億3900万円で、初登場1位に輝いた。8月23日に公開された満島ひかり(38)主演の「ラストマイル」が3週連続で首位をキープしていたこともあって、映画業界はその対決に注視していたが、軍配は「スオミ──」に上がった。

 筆者の独自試算によると、「スオミ──」の最終興収は約25億円前後になる見込み。長澤まさみ(37)の主演作品で興収が25億円を超えるのは、2022年1月公開の「コンフィデンスマンJP 英雄編」の約28億9000万円以来となる。“邦画で最も稼げる女優”の座は、まだまだ揺るがなそうだ。

 一方、「ラストマイル」の最終興収は筆者の試算では50億円超。快進撃を続ける満島ひかりの評価はすこぶる高く、今、映画関係者の間では、これから始まるさまざまな映画賞での“主演女優賞”候補は、この2人の直接対決になるだろうと噂されている。

 中でも関係者が特に注目しているのは、“邦画における最高峰の映画賞”とも称される「日本アカデミー賞」の最優秀主演女優賞の行方だ。長澤は第44回(20年)に「MOTHER マザー」で同賞を受賞した。最優秀助演女優賞も第28回(04年)の「世界の中心で、愛をさけぶ」、第43回(19年)「キングダム」で受賞している。

 出演作がほぼ毎回ノミネートされる長澤に対し、満島は賞レースとの相性があまり良くない。助演女優賞のノミネートは第34回(10年)の「悪人」(東宝)をはじめ、これまでに4回あるが、最優秀の受賞にはならず、まして主演女優賞には、まだ一度もノミネートされていない。

 商業的な作品以外の出演も多い満島の性格を考えれば、賞レースや肩書にこだわりがなさそうにも思えるが、今回の「ラストマイル」の大成功で主演女優賞で初ノミニー(候補者)になれば、「最優秀も……」と、どうしても鼻息が荒くなるのが女優としてのさがだろう。

 来年3月に開催予定の第48回日本アカデミー賞で、火花を散らしそうな長澤と満島だが、ちょうど10年前にフジテレビ系連続ドラマ「若者たち2014」で共演歴がある。フジ開局55周年記念の同ドラマは、演出を「北の国から」でお馴染みの杉田成道氏が担当し、当時の人気若手役者たちが数多くキャスティングされた。4男1女きょうだいを中心とした群像劇で、その“1女”を演じたのが満島だった。

 出演ドラマでは必ずといっていいほど彼女の主宰で“実践研修”を行うほどのこだわりを持つ満島に、役者同士での相性の良し悪しが問題になることもあったという。

 例えば長男役を演じた妻夫木聡(43)は、同ドラマの完成披露試写会で、現場で満島と「ちょっぴりぶつかったりしました」と、詳細は省いたものの“今でこそ言える笑い話”を告白している。杉田氏から直接口説かれて出演したとされる長澤は、「長丁場なのに不自然なほど長澤と満島の共演シーンがない」「長澤の出演の条件は満島との絡みがないこと」などと週刊誌に報道された。あの共演から10年以上の歳月を経て、“最優秀主演女優賞”を争おうとしている2人に、映画の女神がほほ笑むのは一体どちらになるのだろうか。

(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)