ニッチジャンルなのに専門誌が乱立! 「麻雀漫画」の歴史をまとめた唯一無二の大作

AI要約

『麻雀漫画50年史』は、麻雀漫画の半世紀にわたる歴史をまとめた大作で、40人以上の関係者へのインタビューを通じて執筆された。

執筆者は10年以上の歳月をかけて調査を行い、国会図書館や古本屋で麻雀漫画雑誌を入手しながら、麻雀漫画の歴史を探求した。

インタビューは当初不審がられることもありましたが、関係者の貴重な話を引き出すことができ、歴史の知見を深めることができた。

ニッチジャンルなのに専門誌が乱立! 「麻雀漫画」の歴史をまとめた唯一無二の大作

漫画のジャンルの中でも、麻雀漫画は極めて異質だ。ひとつに専門誌があること、そしてその中から一般層にも波及するヒット作が生まれていることが挙げられる。そんな麻雀漫画の半世紀にも及ぶ歴史をまとめ上げた大作が『麻雀漫画50年史』だ。

関係者約40人へのインタビューを実施し、10年以上の歳月をかけて本書を執筆したV林田さんに話を聞いた。

* * *

――なぜ麻雀漫画の歴史を調べようと?

V林田 自分が作った同人誌の中で、ミニコーナーとして麻雀漫画の歴史について書いたことがきっかけになりました。調べてみると、このジャンルに関する先行研究のようなものがほとんどなくて。それならもう自分で調べるしかないと。

――調査は大変だったのでは? 

V林田 国会図書館と明治大学の米沢嘉博記念図書館に収蔵されている麻雀漫画雑誌にはすべて目を通し、そのほかにも古本屋やオークションで麻雀漫画をできる限り入手していきました。また、麻雀漫画の歴史を知っているであろう関係者の方にも、直接インタビューしています。

調べていくと、聞いたこともなかった麻雀漫画誌が10誌以上も出てきたり、関係者に話を聞こうと思っても消息不明だったりで、これは想像以上に大変だなとは思いました(笑)。それでも、調べること自体はとにかく楽しかったですね。

――楽しかったんですか。

V林田 もともと、気になったものは調べてしまう癖があるんですよね。先行研究があればそれを読むだけで満足できるのですが、麻雀漫画にはそれがなかったので。

――関係者へのインタビューはスムーズにできたんですか?

V林田 最初の頃はとても不審がられましたね。「インタビューを載せた後に、掲載料を請求してくるとかじゃないですよね?」と聞かれたこともあります(笑)。

あと、お話を聞きたいと思っても、消息不明で連絡が取れない方もいました。例えば1970年代に活躍していた森義一先生はすぐには足取りがわからなかったのですが、農業雑誌でイラストコラムを連載していたという手がかりから、手紙を送ってコンタクトを取り、お話を聞くことができました。