『情熱大陸』ジャズ界の“超新星” トランペット奏者・松井秀太郎に密着「トランペットで生きていく」覚悟の理由とは

AI要約

24歳のジャズトランペット奏者、松井秀太郎の才能と苦悩、そして音楽への情熱に迫る。

松井秀太郎の音楽活動やニューヨークでのレコーディングについてのエピソード。

ジェンダーに苦しんだ過去から見つけた答え、音楽への愛と信念。

『情熱大陸』ジャズ界の“超新星” トランペット奏者・松井秀太郎に密着「トランペットで生きていく」覚悟の理由とは

 8月18日(日)放送の『情熱大陸』(MBS/TBS系 午後11時15分~11時45分)に、ジャズトランペット奏者の松井秀太郎が出演する。

 24歳のトランペット奏者・松井秀太郎は、いま日本のジャズシーンで最も注目されるアーティストのひとりだ。

 国立音大の附属高校でクラシックを学んだが、大学に進むとジャズを専攻、在学中にプロデビューを果たした。評価されているのは、高い演奏技術と豊かな表現力。

 世界的なジャズピアニスト・小曽根真はこう評する。「音楽に意思がある。トランペットの放つ音から、これまでに歩んできた情景が伝わってきて、心が震えた」。

 全国9都市を巡る初のツアー、松井はいわゆる“姫カット”で現れた。ロングヘアをなびかせ、終始穏やかな物腰でバンドメンバーに指示を出す。披露したのは、クラシックのアレンジ1曲を除いて、全て本人のオリジナルだった。

 さらに、各公演に合わせて新曲も用意していた。しかもある日の作品は当日完成したばかり。「子守唄、鼻歌を歌ってる感じ」。それだけをメンバーに伝えると、その場で即興演奏が始まった。

 松井にとってトランペットは、歌を歌う感覚に近いという。楽器は自分が作った歌を伝えるためのものであり、そこにエネルギーや魂をこめるのだと。

 だが意外にも、その楽器をやめてしまおうかと悩んだ時期があると打ち明ける。中学時代、希望して転入した吹奏楽の強豪校。ある日突然通えなくなり、そのまま家に引きこもるようになったという。

 その頃、ジェンダーに苦しんでいた。男性らしさ女性らしさという枠にとらわれたくない自分に気づき、このまま社会でやっていけるのか、大好きな音楽を続けられるのか、この先の人生の道筋が分からなくなった。ひたすら部屋で吹き続け、たどり着いた答えは「自分が信じる好きなことをしよう、トランペットで生きていく」。

 取材中、ジャズの本場ニューヨークで、初のレコーディングが行われた。バックには世界的なミュージシャンたち。しかし松井は緊張するそぶりもなく、あえて彼らにぶつけたい曲を用意していた。本人いわく、とてもシンプルなメロディーで、およそジャズとは言えない曲。「何もない楽譜から、彼らとのセッションでどんな音やエネルギーが生まれるのか試してみたい」。

 柔らかく、けれど果敢に。気鋭のトランぺッターが奏でる音色とは。

<プロフィール>

1999年東京生まれ。幼少期より独学でピアノを、9歳よりトランペットを始める。

国立音楽大学附属高校音楽科を経て、同大学ジャズ専修を首席で卒業。矢田部賞受賞。トランペットを奥村晶、エリック・ミヤシロらに、ジャズアンサンブルを小曽根真に師事。

Newtide Jazz Orchestraのリードトランペットを担当。在学中より自身のジャズコンサートなどプロ活動を始める。

2023年7月にファーストアルバム「STEPS OF THE BLUE」をリリース。

同年9月に自身のバンドを率いてBlue Note TOKYOで初演奏。

ソロ活動の他にHYDE、米津玄師、King Gnuなどアーティストのサポート、ドラマ・C Mレコーディングなども行っている。