異例のネーム連載『キャプテン翼』に高まる期待 関係者も手応え「数字が伸びている」

AI要約

漫画『キャプテン翼』が雑誌連載を終了し、新シリーズがネーム形式で週刊連載されることが決定した。

作者の高橋陽一先生は執筆環境の変化を理由に連載を終了し、新たな形で物語を完結させることを決断した。

新シリーズ『キャプテン翼 ライジングサン FINALS』ではマドリッドオリンピックでの準決勝以降の展開が描かれる予定で、好評を得ている。

異例のネーム連載『キャプテン翼』に高まる期待 関係者も手応え「数字が伸びている」

 世界で活躍する一流サッカー選手からも愛される世界的人気を誇る漫画『キャプテン翼』は今年4月に43年にわたる雑誌連載に幕を閉じた。一方で、7月23日にはポータルサイト「キャプテン翼WORLD」がオープン。同サイト内では、ネーム形式での週刊連載で新シリーズがスタートするという形が取られることとなった。

 作者の高橋陽一先生は、体力の衰えやデジタル化が進んでいく昨今の執筆環境の変化を連載終了の主な理由として明かしていた。高橋先生の中では『キャプテン翼』という長きに渡った物語の完結までのストーリーを頭の中で描いていたが、このまま雑誌連載を続けていると“描き切れない”と判断しての決断だった。

 一方で、ネームのみという形であれば、描いていたストーリーを具現化することができる。物語の最後まで読者の人に見届けてほしいという思いで、今回のネーム形式での連載を決めた。

高橋先生の意向を受け、「キャプテン翼WORLD」プロジェクトは2023年1月ごろから具体化に向けた話し合いが集英社内で行われていたと、関係者は明かす。高橋先生に同プロジェクトの資料を共有したのが、同年6月。そこから具体化に向けた話し合いが行われていった。

 新シリーズのタイトルは『キャプテン翼 ライジングサン FINALS』。『キャプテン翼 ライジングサン』で描き切ることができなかった、マドリッドオリンピックでの準決勝とそれ以降の舞台を描いていくこととなる。

 週刊連載という形を取ることとなるが、関係者によると高橋先生がネーム制作に要する期間は「1日」。「そこから意味が伝わるように鉛筆で多少絵を描き込むとさらに2日ほど要する」とのことだ。新たな形ということもあり、「どこまで描き込むかは現在試行錯誤されています」と高橋先生の様子も明かす。

 ネームという特別な形となったが、読者からの評判は好評。高橋先生も一定の手応えを感じているようだ。また、ネットでの連載という形を取ったことにより、これまで以上に海外での浸透を感じているとのこと。「たとえば、香港からの数字が伸びている」と関係者は明かす。

 現在64歳になった高橋先生が、自身が漫画を描ける限界と物語の結末までに要する時間を考えた上での今回の決断。ネーム形式という新たな形を取ることによって、その可能性が広がった。今後どのような展開でファンを楽しませてくれるのだろうか。今後の動きにも注目が集まる。