【甲子園】智弁和歌山・辻主将「嫌われ役」自ら買って中谷監督とのパイプ役担う 選手宣誓も話題

AI要約

智弁和歌山・辻旭陽外野手がチームを引っ張るキャプテンとして活躍した

自己犠牲をしてチームのために奮闘し、最後の夏を全力で戦い抜いた

感謝と悔しさを込めた涙の試合後や甲子園への思いが印象的であった

<ラストカレンダー~夏の終わり~ 智弁和歌山・辻旭陽外野手(3年)>

 <全国高校野球選手権:霞ケ浦5-4智弁和歌山>◇13日◇1回戦

 辻は「嫌われ役」を自ら買って出た。昨夏の和歌山大会は高野山に敗れ初戦敗退し、そこから出発したチーム。キャプテンも名前順で日替わりで練習を行う中、自ら名乗りを上げた。「このままでは勝てない。自分のできることはもう嫌われてもなんでもいいから言い続けることやと思いました」。昨秋の県大会途中から正式に主将に就任した。

 主将として中谷監督と選手のパイプ役を担った。「監督の見えないところで何かが起きていると、チームとして違う方向に進んじゃうなと。そのズレは絶対なくしたいと思っていた」。毎日のように中谷監督と対話を重ね、改善策を探った。同級生、後輩の思いも受け止めながら、よりよいチーム作りのために、時には厳しい言葉をかけながら、先頭で引っ張ってきた。

 自らは右膝と左ももの痛みをかかえながら、キャプテンとしてグラウンドに立ち続けた。試合後半は三塁コーチャーの役割に徹して、チームを鼓舞してきた。試合後は「勝てなくて、悔しくて、本当に申し訳ないです」と涙を流し続けた。選手宣誓では甲子園への思いを語り、話題を呼んだ男は、宣言通り最後まで「全力プレー」を貫き、最後の夏を終えた。【古財稜明】