坂東巳之助&中村児太郎、父から受け継ぐ「ゆうれい貸屋」哀愁あふれる人情喜劇に拍手喝采

AI要約

歌舞伎俳優の坂東巳之助、中村児太郎が東京・歌舞伎座で初日を迎えた。山本周五郎原作の人情喜劇「ゆうれい貸屋」に出演し、笑いと哀愁が交じる舞台が客席から大きな拍手を受けた。

巳之助は怠け者で仕事もしない弥六を演じ、幽霊の芸者とのやり取りで人間の本性を描く。児太郎は信頼する先輩と共演し、共に舞台を盛り上げる意気込みを見せた。

お兼、平作、弥六、染次という個性豊かなキャラクターたちが織りなす幽霊と人間の交流を通じて、人情喜劇の魅力が存分に表現された。

坂東巳之助&中村児太郎、父から受け継ぐ「ゆうれい貸屋」哀愁あふれる人情喜劇に拍手喝采

 歌舞伎俳優の坂東巳之助、中村児太郎が4日、初日を迎えた東京・歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」(25日・千秋楽)の第1部「ゆうれい貸屋」に出演した。

 山本周五郎原作の人情喜劇。巳之助の弥六、児太郎の染次、それぞれの父たちが勤めた役を初役で勤めることで話題を集めている。幕が開くと、江戸は京橋の桶屋。お兼(坂東新悟)と家主平作(坂東彌十郎)が、仕事もせずに出かけてしまった弥六(巳之助)を嘆く。酒に酔って帰ってきた弥六が聞く耳を持たず、お兼は実家へと帰ってしまう。

 やがて日が暮れ、弥六のもとに美しい芸者の幽霊、染次(児太郎)が姿を見せる。個性豊かな幽霊たちと弥六の軽快なやりとりに笑いながらも、人間の本性をも感じさせる哀愁あふれる人情喜劇に、客席からは大きな拍手が送られた。

 巳之助は演じる弥六について「怠け者で仕事もしないで、奥さんが出て行っちゃっても気にもとめない。きれいなお姉さんの幽霊にまんまとはまって『ゆうれい貸屋』という商売を始める。働くのも幽霊任せ。だめな男です。お客様の反感を買わないように、やり方を考えたい」。児太郎は「信頼している先輩の巳之助さんと一緒にできることがうれしい。『あの2人、良かったね』と言ってもらって、またできるように頑張りたい」と意気込んでいる。