『虎に翼』無罪判決に土下座する兄と弟の恨みの眼差し。怯える入倉を前に杉田は現実を…<差別>を巡る重層的展開に視聴者「全く爽快感がない」「偽らざる思いがちゃんと」「入倉の気持ちも分かるとしか」

AI要約

放火事件の判決が出され、朝鮮人の兄弟の兄が無罪となる。裁判長の航一が感謝されるようなことはしていないと指摘し、金広洙と入倉の複雑な表情が描かれる。

寅子は入倉の様子が気になり、星と一緒に喫茶ライトハウスへ。入倉は昔の歴史が自分たちを変えたと語り、寅子は無力さを感じる。

弁護士の杉田太郎は、戦後10年たった今も平等や権利に気を遣うことができない人々の存在を指摘する。

『虎に翼』無罪判決に土下座する兄と弟の恨みの眼差し。怯える入倉を前に杉田は現実を…<差別>を巡る重層的展開に視聴者「全く爽快感がない」「偽らざる思いがちゃんと」「入倉の気持ちも分かるとしか」

◆8月1日の『虎に翼』

現在放送中の伊藤沙莉さん主演・連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。第18週「七人の子は生すとも女に心許すな?」の88回が8月1日に放送され、話題になっています。

*以下、8月1日放送内容のネタバレを含みます。

寅子たちは手紙の翻訳の正確性について、杉田(高橋克実さん)ら弁護人と検察の双方に意見を求める。

小野(堺小春さん)は、自分の苦しさを告白する。

そして、金顕洙(許秀哲さん)の事件はいよいよ判決の日を迎えーーといった話が描かれました。

◆あらためてあらすじ

今日の回で放火事件に判決が出、朝鮮人の兄弟・兄の金顕洙が無罪であることが裁判にて認められました。

判決に対し「ありがとうございます」と泣きながら土下座する顕洙に対し、「感謝されるようなことはしていません」と裁判長の航一は顔を上げるように促します。その様子を見て、敵(かたき)を見るような表情で場をにらみつける弟の金広洙(成田瑛基さん)。そして複雑な表情を見せる入倉(岡部ひろきさん)。

その後、入倉の様子が気になっていた寅子は、星と三人で喫茶ライトハウスへ食事に行くことに。

金広洙の表情に納得がいかなかったという入倉。これまでの歴史がそうさせた、と語る寅子に対し「昔のことなんて知りませんよ」「オレは誰も虐げたことなんてない、普通でいるのに! 敵扱いされてにらまれて…。そんな態度されちゃ、そりゃ彼らへの印象だって悪くなる。頭じゃダメだってわかってても」と反論しました。

その様子を少し離れていたところから見ていた弁護士の杉田太郎。

無力さを覚えるという寅子に対し、「ま、ご立派ではあるろも。せやろも、戦争が終わってまだ10年もたってねえ。平等やら何やらに気をつかえんのは、学があるか、余裕がある人間だけら。憲法が変わったんだすけ、変われ! なんて言われても、全部ねえなったみてえで…おっかねなってしもう。そんげ人間もいるでしょうて」と語るのでした。