五輪観戦で「こんなに変わったの?」バスケの現行ルール『スラムダンク』当時と比較

AI要約

井上雄彦氏による名作バスケ漫画『SLAM DUNK』の連載終了後、劇場版アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』が大ヒットしたことを振り返りつつ、バスケのルールの違いについて紹介。

『SLAM DUNK』と現在の国際ルールの違いを例に挙げ、クォーター制への変更や体力と試合展開の関係について解説。

過去の『SLAM DUNK』の試合展開をクォーター制ルールで想像してみると、選手たちの体力面での苦戦が少なかった可能性が示唆される。

五輪観戦で「こんなに変わったの?」バスケの現行ルール『スラムダンク』当時と比較

 井上雄彦氏による名作バスケ漫画『SLAM DUNK』。連載終了から26年の時を経て一昨年公開された劇場版アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』も大ヒットとなり、当時のファンも大いに盛り上がった。

 ただ、本作を観て少し違和感を感じた人もいるかもしれない。それは、ルールの違いだ。『SLAM DUNK』の連載期間は1990年~1996年。当時のルールと今回のパリ五輪で適用される現在の国際ルールには、大きな違いがある。

 そこで今回は『SLAM DUNK』を通して「五輪前に知っておきたいバスケの現ルール」を、ぜひ確認していってほしい。バスケットボール日本代表「AKATSUKI JAPAN」の活躍を、より楽しめるはずだ。

 まず、分かりやすいところでいうと、『SLAM DUNK』では20分×2の「前後半制」だったのが、現在は10分×4クォーターの「クォーター制」になっていることだろう。2000年に国際ルールが変更、日本でも2001年から導入されたルールだ。

 バスケットボールは非常に運動量が多いハードなスポーツである。ルール変更のおもな意図もそこにあり、細かく分けることで体力的に余裕が生まれ、よりスピーディーな試合になることが期待できる。またそれに伴い、タイムアウトの数も前半2回・後半2回から、1・2クォーターで2回、3・4クォーターで3回と増えた。

 40分というコート上でのプレー時間は同じだが、これらのルール変更は体力不足で苦戦していた選手にとっては嬉しいものとなったかもしれない。

『SLAM DUNK』でいうと、インターハイ神奈川県予選の湘北VS海南大附属の試合で、赤木が怪我により途中離脱、それを補うかのように前半飛ばした流川楓は後半で体力の限界を迎え、途中交代していた。また同試合、三井寿も体力のなさで集中力を欠き、出されたパスをキャッチミスしてしまった描写もあった。

 仮にこの試合が現在のクォーター制であったならば、流川や三井の体力にもおそらく余裕が生まれていたことだろう。湘北が海南に勝利する展開があったかもしれない。