浜辺美波×赤楚衛二のアツい再共演 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の意外なテーマ

AI要約

リアルサウンド映画部がお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。今週は、2020年、新型コロナウイルスが猛威を振るい政府がAI・ホログラムで歴史上の偉人を復活させる『もしも徳川家康が総理大臣になったら』を紹介。

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は17万部を突破した小説を基に、徳川家康をはじめとする偉人たちが政府内閣を構成し、奇想天外な展開が描かれるストーリー。

キャスティングの説得力や赤楚衛二演じる坂本龍馬のカリスマ性が際立つ本作は、意外な政治的・社会的メッセージも含まれている。

浜辺美波×赤楚衛二のアツい再共演 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の意外なテーマ

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、世界史も日本史が苦手な宮川が『もしも徳川家康が総理大臣になったら』をプッシュします。

 『キングダム 大将軍の帰還』や『怪盗グルーのミニオン超変身』など人気シリーズの最新作が大ヒットしている中、7月24日からは2024年唯一のMCU(マーベル・シネテマティック・ユニバース)作品となる『デッドプール&ウルヴァリン』が公開され、いよいよ本格的な夏休み興行に突入。今週のこのコーナーでは、公開日前日に行われた完成披露試写会と公開日翌日にIMAX版で既に2度鑑賞した『デッドプール&ウルヴァリン』を取り上げたいところだったが(作品の出来に不満しかない……)、夏休み興行の大穴となる可能性を秘めている『もしも徳川家康が総理大臣になったら』をピックアップしてみたい。

 2021年に出版され、累計発行部数17万部を突破している眞邊明人の同名小説を、監督・武内英樹、脚本・徳永友一の『翔んで埼玉』コンビが再タッグを組んで映画化した本作。舞台となるのは、2020年、新型コロナウイルスが猛威を振るい、日常を奪われた日本。世界中が大混乱に陥る中、首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死。そこで政府は「AI・ホログラムにより歴史上の偉人たちを復活させ、最強内閣をつくる」という前代未聞の計画を実行する。

 総理大臣を託されたのは、“江戸幕府を作り上げた伝説の男”徳川家康(野村萬斎)。そして、官房長官に坂本龍馬(赤楚衛二)、経済産業大臣に織田信長(GACKT)、財務大臣に豊臣秀吉(竹中直人)、文部科学大臣に紫式部(観月ありさ)、法務大臣に聖徳太子(長井短)、総務大臣に北条政子(江口のりこ)、農林水産大臣に徳川吉宗(髙嶋政宏)、厚生労働大臣に徳川綱吉(池田鉄洋)、外務大臣に足利義満(小手伸也)を迎え、通称“偉人ジャーズ”によるドリームチーム内閣が誕生する。そんな中、テレビ局の新人記者・西村理沙(浜辺美波)はスクープを取ろうと政府のスポークスマンである坂本龍馬に近づくが、ひょんなことから“偉人ジャーズ”の活躍の裏に渦巻く黒い思惑に気付いてしまう……。

 アベンジャーズと“偉人ジャーズ”ということで、興行的にも日米ヒーロー対決になりそうな『デッドプール&ウルヴァリン』と『もしも徳川家康が総理大臣になったら』。どちらもおふざけ感満載のコメディ映画でありつつも、意外なテーマやメッセージ性が内包されている。特に『もしも徳川家康が総理大臣になったら』に関しては、政治を扱った作品だからか、意外にも政治的・社会的メッセージが含まれているのには驚いた。

 とはいえ本作最大の魅力は、誰もが知っている偉人たちに扮しているところだろう。野村萬斎の徳川家康、GACKTの織田信長、竹中直人の豊臣秀吉(演じるのはなんと5作目!)、江口のりこの北条政子など、説得力のあるキャスティングと本気のなりきり演技は、それだけで本作を観る価値があると言えるもの。

 そして赤楚衛二演じる坂本龍馬のカッコよさ。土佐弁も板についていて、新たな魅力を放っている。なお、スクープを狙う新人記者・西村理沙を演じている主演の浜辺美波と赤楚は、映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(2020年)、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(2001年/日本テレビ系)に続き、本作が3度目の共演。さらに、11月22日公開の『六人の嘘つきな大学生』でも共演しており、近いうちにまた2人の姿をスクリーンで観ることができるのだ。

 今後、浜辺美波と赤楚衛二の2人を語る上で、この『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は非常に重要な作品になるかもしれない。