警戒監視強化「国際秩序の維持リード」 木原防衛相がシャングリラ対話で講演

AI要約

木原稔防衛相はシンガポールで開催されたアジア安全保障会議で、地域横断的な安全保障秩序の課題について講演した。

木原氏は、中国やロシアの行動に警鐘を鳴らし、自由で開かれた国際秩序の維持・強化を呼びかけた。

同盟国との協力を強化し、情報収集や警戒監視能力を高めることで地域を越えたリスクに対処する考えを示した。

警戒監視強化「国際秩序の維持リード」 木原防衛相がシャングリラ対話で講演

【シンガポール=小沢慶太】木原稔防衛相は1日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で「地域横断的な安全保障秩序の課題」をテーマに講演した。同志国に対する警戒監視能力の強化支援などを通じて「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化をリードする」と訴えた。

木原氏は、ウクライナやイスラエル・パレスチナ情勢、中国を念頭に置いた東・南シナ海での力や威圧による一方的な現状変更の試みなどを引き合いに、「地域をまたいだ同時多発的な危機や偶発的衝突が生じるリスクは高まった」と述べた。

ウクライナを侵略したロシアにも触れ、「不法占拠を続けている北方領土を含め、極東地域における軍事活動を活発化させている」と指摘した。

地域を越えたリスクに対する抑止力や対処力を強化するため、情報収集・警戒監視・偵察(ISR)の重要性を強調。日本として防衛装備移転などを活用し、インド太平洋地域を中心に同盟・同志国と警戒監視能力を向上する考えを表明した。