【叡王戦】伊藤匠七段「もう少し熱戦にできそうだったが、バランスを崩した」初戴冠は持ち越し

AI要約

藤井聡太叡王が伊藤匠七段との叡王戦5番勝負第4局で勝利し、シリーズ対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。

伊藤は悲願の初タイトル奪取を逃し、次局に全力を尽くしたいと語った。

対戦は中盤から終盤にかけての激しい戦いとなり、最後は藤井が勝利を収めた。

【叡王戦】伊藤匠七段「もう少し熱戦にできそうだったが、バランスを崩した」初戴冠は持ち越し

 藤井聡太叡王(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=21)が同学年の伊藤匠七段(21)の挑戦を受ける、将棋の第9期叡王戦5番勝負第4局が31日、千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」で行われ、後手の藤井が勝ち、シリーズ対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。藤井は叡王4連覇、伊藤は初タイトルを目指す。第5局は6月20日、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われる。

 伊藤の悲願の初戴冠は持ち越しになった。戦型は角換わりから中盤の長いねじり合いを経て、終盤へ。4時間の持ち時間を使い切り、117手目から1手1分未満で指す「1分将棋」に突入。攻めに転じたが、届かなかった。

 終局後、伊藤は「本局は熱戦にできずに残念な内容だった」と悔やんだ。

 大盤解説会に登壇した伊藤は「8七角と自陣に角を打たされた展開になり、先手としては本意ではないかなと思っていた」と振り返り、「もう少し熱戦にできそうだったが、バランスを崩してしまった」と敗因を分析した。

 対藤井戦の3連勝で初タイトル奪取はならなかったが、第5局は大一番になる。「次局も注目される舞台なので、全力を尽くしたい」と気持ちを切り替えた。