任期振り返り「全身全霊で挑んだ」小池都知事、3選へにじむ意欲…実績PR「都政の動き加速必要」

AI要約

小池知事が都議会第2回定例会で所信表明し、2期8年の実績を振り返り、都政課題に取り組む意向を示す。知事選への意欲を匂わせる発言も。

今後の新たな取り組みとして、高潮対策強化や若者支援、環境分野での取り組みなどを予定。プロジェクションマッピング事業の成果にも触れる。

立憲民主党の蓮舫氏も議事堂を訪れ、批判とは裏腹に歓迎される。タイミングを合わせたあいさつ回りを展開。

 29日に開会した都議会第2回定例会の所信表明で、小池知事は自身の任期を「全身全霊で挑んだ」と振り返り、東京の国際競争力強化や少子化対策といった都政課題に引き続き取り組む考えを示した。目前に迫る知事選(6月20日告示、7月7日投開票)について直接的な言及は避けたが、3選への意欲をにじませるメッセージとなった。

 7月末の任期満了まで最後の定例会のため、知事は冒頭、2期8年の歩みを振り返った。「新型コロナの死者数は、極めて低い水準に抑えられた」「出会いから結婚、妊娠・出産、子育てまで切れ目のない支援を推し進めてきた」などと実績をPR。「今必要なのは、都政の動きを加速させていくことだ」と訴えた。

 今後の新たな取り組みについても一部明らかにした。

 高潮対策強化のため、河川ごとに防災設備の整備手法などを定めた対策方針を年度内に取りまとめる。困難を抱える若者を支援するための「東京都子供・若者計画」の改定にも着手する。

 環境分野では、8月から、太陽光などで作られたグリーン電力だけで新交通システム「ゆりかもめ」を稼働させると明らかにした。電気自動車の普及に欠かせない急速充電器の公道設置も加速させるとした。

 このほか、都庁舎壁面を活用して2月に始めたプロジェクションマッピング事業について、国内外から20万人超が来場したと強調。「何もない所が、わずか3か月で観光スポットになった」とアピールした。事業を巡っては、27日に立候補表明した立憲民主党の蓮舫参院議員(56)から「知事の露出度が高まり、公金を使った事前の選挙活動」と批判されており、反論した格好だ。

 その蓮舫氏は29日、定例会が終わったタイミングに合わせ、あいさつ回りのために議事堂を訪問した。

 回ったのは立民、共産党のほか、ミライ会議や自由を守る会など、知事に批判的な会派の控室。立民の西沢圭太幹事長から「一丸となって応援させていただく」と出迎えられるなど、行く先々で手厚い歓迎を受けた。