浸水対策の土のう積む作業で肩に大けが、久留米市シルバー人材センターの元職員が賠償提訴

AI要約

福岡県久留米市で2021年8月、土のうを積む作業中に肩の大けがを負った男性職員が公益社団法人を提訴。被告側は請求棄却を求める。

男性は上司から対策を指示されたと主張。被告側は指示を否定し、けがの主因は加齢だと主張。

男性は上司を業務上過失傷害容疑で告訴したが、不起訴となった。

 福岡県久留米市で2021年8月、大雨の浸水対策で土のうを積む作業をした際、肩に大けがを負った公益社団法人「久留米市シルバー人材センター」の元男性職員(50歳代)が、センターがけがを未然に防ぐ注意義務を怠ったなどとして、同センターを相手取り、約3500万円の損害賠償を求めた訴訟を起こし、27日、福岡地裁久留米支部(石山仁朗裁判官)で第1回弁論が開かれた。被告側は、請求棄却を求めた。

 訴状では、男性は当時、同センターの出張所で勤務。大雨で出張所近くの水路から水があふれ、敷地内に浸水の恐れがあったため、当時の上司に電話で状況を説明。上司から「土のうを積むなど対策をするように」と指示され、作業中に右肩腱板断裂の大けがを負ったとしている。

 これに対し、被告側は答弁書で、上司による指示を否定。けがについては「主な素因は加齢にある」などと主張した。

 男性は22年6月、上司を業務上過失傷害容疑で、久留米署に刑事告訴したが、久留米区検が昨年12月25日付で不起訴とした。「起訴するに足りる証拠がなかった」としている。