日中韓首脳がソウルで会談 岸田首相、北朝鮮「衛星」中止求める

AI要約

岸田文雄首相が訪韓し、日中韓首脳会談を実施。北朝鮮情勢や経済協力を議論。

3首脳は日中韓文化交流年を宣言し、FTA交渉再開も協議。

ビジネスサミットに参加し、経済界への投資促進を呼びかける方針。

日中韓首脳がソウルで会談 岸田首相、北朝鮮「衛星」中止求める

 韓国を訪問中の岸田文雄首相は27日午前、ソウルで中国の李強首相、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と日中韓首脳会談を実施した。3カ国の経済・貿易分野での協力や人的往来の促進などを盛り込んだ共同宣言をとりまとめ、終了後、共同記者発表に臨む。

 岸田氏は会談冒頭、「北朝鮮がまたも人工衛星の打ち上げを予告したが、発射を強行すれば国連安保理決議違反だ。強く中止を求める。北朝鮮情勢などの国際情勢で3カ国の意思疎通を強化したい」と述べた。

 日中韓首脳会談は2019年12月に中国・成都で開催して以来、約4年半ぶりとなる。人的交流や経済協力、公衆衛生・少子高齢化などをメインテーマとして議論。3首脳は25、26両年を「日中韓文化交流年」とすることなどで合意する見通しだ。

 一方、核・ミサイル開発を加速する北朝鮮情勢を巡っては、北朝鮮が首脳会談直前の27日未明に「人工衛星」の発射を予告した。共同宣言で3カ国の認識をどこまで一致させられるかが焦点となる。

 日中韓3カ国の国内総生産(GDP)は23年で計約24兆ドル(約3700兆円)で、世界全体の2割強を占める一大経済圏となっている。首脳会談では、19年11月を最後に交渉が中断している日中韓3カ国による自由貿易協定(FTA)についても協議される方向だ。

 岸田首相は26日、李氏、尹氏とそれぞれ個別に会談した。

 3首脳は27日午後にソウルで開催されるビジネスサミットに参加。経済界に対して3カ国それぞれへの投資促進を呼びかける方針だ。岸田首相は27日午後にソウルを出発して帰国する。【ソウル森口沙織、日下部元美】