首都高3人死亡事故、運転手の男「1・8キロ手前から意識なかった」…38度超の発熱も職場は体調確認なし

AI要約

埼玉県戸田市で起きた交通事故で、3人が死亡した。事故の原因はトラックが減速せずに乗用車に追突したことである。

事故を起こしたトラック運転手は、事故前に病気や疲労を抱えており、適切な体調管理が行われていなかった。運転中に意識を失ってしまったと供述している。

警視庁は過労運転の可能性も視野に入れて捜査を進めており、運行記録なども押収して状況を詳しく調査している。

 埼玉県戸田市の首都高速5号池袋線で3人が死亡した事故で、自動車運転死傷行為処罰法違反容疑で逮捕されたトラック運転手の会社員の男(28)(相模原市緑区)が、現場の約1・8キロ手前のインターチェンジ付近から意識がなかったと説明していることが捜査関係者への取材でわかった。当日は38度超の発熱があったが、職場では運転前の体調確認は行われておらず、警視庁は勤務先の安全管理体制も調べる。

 事故は14日午前7時半頃、戸田市の美女木ジャンクション付近で発生。捜査関係者によると、周辺のカメラ映像などから男のトラックは減速せず、渋滞最後尾の乗用車に時速約77キロで追突した。

 男は調べに、現場から約1・8キロ手前にある戸田南インターチェンジ付近の電光掲示板を見たが、「その後意識がなくなった」と供述。3日前から体調が悪く、2日前から風邪薬を服用して運転していたと説明している。事故前日は38度超の熱があり、職場にも伝えたといい「事故当日は午前4時の運転開始直前に鎮痛剤を飲んだ。仕事が終わったら病院に行こうと思っていた」と話しているという。

 貨物自動車運送事業法に基づく国の安全規則では、運送事業者に対し、運転者の病気や疲労などを事前に確認する「点呼」を義務付けている。男は「当日は点呼を受けていない」と説明している。

 警視庁は男について道路交通法違反(過労運転)容疑の適用も視野に捜査する一方、神奈川県厚木市の勤務先からも運行記録などを押収して調べている。23日午後には、男の立ち会いのもと、事故現場で実況見分を行う。