兵庫県知事ら「七つの疑惑」再調査へ 批判文書巡り第三者機関設置

AI要約

兵庫県知事に対する批判文書を元局長が流布し、懲戒処分を受けた問題で、再調査のための第三者機関設置が決定された。

知事らに対するパワーハラスメントや贈答品受け取りなどの疑惑が指摘され、現在は第三者機関の中立的な調査が注目されている。

議会や関係者からは、百条委員会の設置を求める声も上がっており、状況は動き始めている。

兵庫県知事ら「七つの疑惑」再調査へ 批判文書巡り第三者機関設置

 兵庫県の斎藤元彦知事らを批判する文書を作成し流布したとして元西播磨県民局長が懲戒処分を受けた問題で、斎藤知事は21日、再調査のための第三者機関を設置することを明言した。県議会(定数86人)の内藤兵衛議長(自民)による「全会派合意」の要請に応えた。今後、文書で指摘された7項目の疑惑解明がどこまで進むかが焦点となる。【山田麻未、中尾卓英】

 元県民局長が県議や報道機関に郵送した文書では、知事らのパワーハラスメントや企業からの贈答品受け取りなど7項目の疑惑を指摘。県は局長を解任して内部調査を実施し、5月7日に「文書には根拠がなく、誹謗(ひぼう)中傷」として元局長を停職3カ月の懲戒処分とした。

 だが県議から「調査は県の人事当局主導で行われ、県民の理解を得られない」「公平性、客観性がない」などの意見が噴出。知事はそれまで否定していた第三者機関設置に方針転換していた。

 今後は人選や調査方法など第三者機関の中立性が保てるかが注目点となる。内藤議長が「第三者機関事務局に県監査委員を入れて客観性を高めては」と投げかけると、知事は「二元代表制で選ばれた県議の方にも入っていただくことが県政の透明化につながる」などと前向きに応じた。

 一方、「知事与党」を公言する第2会派の維新(21人)を除く最大会派・自民(36人)の一部や、ひょうご県民連合(9人)らは百条委員会の設置を求めている。議会が主体的に設置し、請求を受けた関係者が正当な理由なく出頭、証言、記録提出を拒否したり虚偽の陳述をしたりすると、禁錮または罰金を科せられるより強い調査権限があるからだ。

 この日、県に元局長の懲戒処分即時撤回を申し入れたひょうご県民連合の上野英一幹事長は「百条委を設置して議会が主体的に調査をすべきだ。6月県議会で提案する」と話した。