パーティー券購入者の公開基準額、「5万円超」に引き下げで公明・維新が足並み…狭まる自民への「包囲網」

AI要約

政治資金規正法改正に関するパーティー券購入者の公開基準額を巡る自民党への包囲網が狭まりつつある状況について。

自民党と他政党の協力が必要であり、対応が注目されている。

パーティー券の公開基準引き下げや政活費に関する各政党の立場の違いが露呈している。

 政治資金規正法改正に関するパーティー券購入者の公開基準額を巡り、自民党への包囲網が狭まりつつある。日本維新の会が「5万円超」への引き下げを主張し、公明党と足並みをそろえたためだ。自民の拒否感は根強いが、改正に向けて他党の協力は不可欠で、岸田首相(党総裁)の対応が焦点となる。

 自民の浜田靖一国会対策委員長は21日、維新の遠藤敬国会対策委員長と国会内で会談し、維新が22日に国会に提出する予定の改正案について説明を受けた。会談後、浜田氏は「各党の考えを受け止め、今後どうするか考えていく」と記者団に語った。

 維新案はパーティー券購入者の公開基準について、現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げるとした。自民は「10万円超」を主張しており、「5万円超」とする公明と、最後まで折り合えなかった項目だ。

 パーティー券の公開基準の引き下げに関し、自民執行部内には、大幅に引き下げれば中堅・若手議員の資金集めが困難になるとの懸念が強い。パーティー券を巡っては、名前が公開されないことを前提とした購入者も多いとされるためだ。

 森山総務会長は19日、長崎市内で「政治活動はいくらかのコストがかかる」と記者団に述べ、「5万円超」への引き下げに慎重な考えを強調した。閣僚経験者は「厳しくしすぎれば、金持ちや有名人しか国会議員になれなくなる」と訴える。

 だが、公明に加えて維新が「5万円超」への引き下げを打ち出し、自民の孤立感は深まっている。強硬姿勢を貫けば改革に消極的だとの批判は避けられず、「一定の妥協はやむを得ない」(幹部)との声も漏れる。

 議員が政党から支給される政策活動費(政活費)についても、自民、公明、維新の間で立場の隔たりが大きい。維新は政活費の廃止を掲げる一方、政治資金収支報告書に支出先の記載を必要としない「特定支出」制度を新設するとした。支出先は別途作成する「特定支出報告書」に記載し、添付の領収書とともに10年後に公表する。