河野太郎氏「進次郎方式世襲」に異論「相続税回避かのような政治資金の引き渡しはいかん」

AI要約

自民党総裁選での世襲議員のあり方について候補者たちが議論を展開。小泉進次郎氏や茂木敏充氏らが世襲改革を提案。立憲民主党代表選でも世襲制限を公約に掲げる野田佳彦氏が注目される。

候補者たちは、世襲議員の制限や政治資金の扱いについて異なる意見を示す。進次郎氏は律し政治に取り組む姿勢を強調し、河野氏は世襲改革の必要性を訴える。

各候補者が、公平な選挙環境や世襲の影響について意見を交わし、政治改革が必要であることを訴える。

河野太郎氏「進次郎方式世襲」に異論「相続税回避かのような政治資金の引き渡しはいかん」

 自民党総裁選(27日投開票)に出馬している8人の候補と代理1人が出演し放送された22日のNHK「日曜討論」(日曜午前9時)で、世襲議員のあり方が議論の1つのテーマになった。

 祖父から4代続く世襲議員で、父の小泉純一郎元首相の引退後、選挙区と政治資金を引き継ぐ形で政界入りした小泉進次郎元環境相(43)がいる中で、非世襲の高市早苗経済安保相(63)、茂木敏充幹事長(68)や、父とは別の選挙区から出馬した河野太郎デジタル相(61)らが、親と違う選挙区からの出馬や、資金を非継承などの「世襲改革」を提案する場面があった。

 9月23日投票の立憲民主党代表選に出馬している野田佳彦元首相(67)も、世襲の制限を公約に掲げている。

 司会者に世襲への認識を問われた進次郎氏は「15年前に初めて選挙に出た時から、私は比例重複をせず公明党の推薦も受けていない。(小選挙区で)一発勝負でだめなら退場という思いでやってきて、ありがたいことに選び続けていただいている」と強調。「世襲の批判はありながらも国のためには必要と思っていただけるよう、自らを律して政治に向き合いたい」と述べた。

 一方、河野氏は「引退する議員の親族が、なかば自動的にその後継になるというのは改めないといけない」と、「進次郎氏方式」に異論を唱えた。さらに「もう1つ問題なのは、引退する議員の政治資金の代表者に後継の親族がなることで、相続税を回避しているかのようなお金の引き渡しはいかんと思う。議員が引退したら、その政治資金団体に残ったお金は国庫に返納し、後継の議員は新たな政治資金団体をつくる。そこは徹底すべきで改めないといけない」と述べた。

 茂木氏は「世襲ではないが不利と感じたことはない」とした上で「前の代の政治資金団体をそのまま引き継ぐのはやめた方がいい」と、河野氏に同調。「あまり世襲が多いと、だれにでもチャンスがある政党と見られなくなる。世襲のよしあしではなく、だれにも門戸が開かれているかが必要」と述べた。

 初当選は無所属だった高市氏は「私も世襲ではなく、最初に出る時は予備選があった。自民党から出たかったが相手は世襲。手も足も出なかった」と振り返り「有権者の判断だが、(世襲候補は)親とは別の選挙区から出るとか、政治資金団体は継承しないとか、そういう工夫はできるだろうと思う」と述べた。

 父が参院議員だった石破茂元幹事長(67)は「世襲を減らすことが世襲議員の最後の仕事と思ったが、なかなかそうなっていない」とした上で「政治資金団体を引き継ぐことをやめるとか、1つ1つやっていかないといけない。毎回毎回、現職だからそのままでいいではなく、この人でいいかという審査をどの選挙区でもやる仕組みの導入が必要」と、世襲改革を訴えた。

 小林鷹之前経済安保相(49)は「意欲と能力のある人が公平にジャッジされる仕組みを党の中に導入することが重要」と述べ、上川陽子外相(71)と加藤勝信元官房長官(68)も意欲のある人に門戸を広げる環境整備の必要性を訴えた。林芳正官房長官(63)は能登半島の豪雨対応で欠席し、陣営の田村憲久元厚労相が代理出演した。