「被爆体験者」訴訟、原告も控訴へ 国控訴・被爆者認定受けられず

AI要約

長崎で原爆に遭いながら被爆者と認められずにいる「被爆体験者」の訴訟で、15人が被爆者と認定され、控訴する方針が明らかにされた。

国側は証拠の評価の矛盾などを理由に控訴の必要性を主張しており、双方が控訴審で争うことになる。

原告側は被爆体験者は被爆者であるとし、救済を求める姿勢を示し、問題の解決を目指すことを決定した。

「被爆体験者」訴訟、原告も控訴へ 国控訴・被爆者認定受けられず

 長崎で原爆に遭いながら被爆者と認められずにいる「被爆体験者」の訴訟で、原告側は21日、原告44人のうち15人を被爆者と認定した長崎地裁判決に関し、認められなかった原告について福岡高裁に控訴する方針を明らかにした。岸田文雄首相は同日、被爆体験者への医療費の助成を「被爆者と同程度」に拡充すると表明した一方、控訴する方針も示した。被爆者認定をめぐって双方が控訴審で争う形となる。

 9日の長崎地裁判決は、原告44人のうち、国が定めた「被爆体験者」区域のうち東側の旧3村の一部について、住民らの証言や調査結果などから「黒い雨」が降ったと認め、この地域にいた15人を被爆者と認定。一方、ほかの地域の29人の訴えは退けた。

 国側は、9月9日の地裁判決と、被爆体験者をめぐる同様の先行訴訟で原告側の敗訴が確定した最高裁で、証拠の評価が矛盾しているなどとして、控訴する必要性があると判断した。

 これに対し、原告側も「被爆体験者は被爆者であり、救済されなければならないという原点にたって、問題の解決を求める」として、24日に控訴する方針を決めた。(小川崇)