不要品買い取り? 実はヤミ金業者 カード現金化、給与前払い…巧妙化する手口

AI要約

ヤミ金業者が貸借関係を隠す手口を巧妙に変えながら活動していることが警察の追及で明らかになっている。

近年は商行為のように見せかけながら実際には貸借関係となっている手口が増えており、警視庁も摘発に取り組んでいる。

新たな手口として「先払い現金化」業者が登場し、業者の業態変更や無登録の問題も表面化している。

不要品買い取り? 実はヤミ金業者 カード現金化、給与前払い…巧妙化する手口

店舗型や電話勧誘型など、時代とともに手口を変えながら暴利をむさぼるヤミ金業者。警察による追及も進んでいるが、業者側もあの手この手で巧妙に他業種を装い、金の貸し借りであることを隠して摘発を逃れようとしているとみられる。

近年目立つのは、通常の商行為であるように見せかけながら、実態は貸借関係となっている手口だ。

警視庁が平成23年に初めて摘発した「カード現金化」業者は、安価なアクセサリーなどをクレジットカード決済を使って高値で売り、利息分を引いた現金を渡していた。令和3年には客の給与を債権として買い取り、給料日前に先に現金を渡す「給与ファクタリング」を行っていた業者も摘発されている。

その先に現れた「先払い現金化」業者。「業界内で、摘発されたものを克服する新たな手口がどんどん出てきている」。ヤミ金問題に詳しい下東洋介司法書士は、こう話す。

下東氏によると、先払い現金化は、無登録の給与ファクタリングが違法性が高いとして問題視されたことで増加。一度閉鎖した業者が、業態を変えて客を引き継ぎながら営業しているケースもあるという。

また、こうした業者はホームページを構えて外見は普通の中古品売買の形をとっており、ヤミ金から借りることに抵抗がある人も手を出しやすい傾向にある。しかし、返済が滞ると家族や勤務先に連絡されたり、インターネット上に身分証や顔写真を掲載されたりする恐れもあり、下東氏は「実態はヤミ金であり、背景に犯罪組織がいることを認識してほしい」と警鐘を鳴らしている。