兵庫・斎藤知事の不信任案が全会一致で可決 パワハラ、おねだりなど数々の疑惑

AI要約

兵庫県の斎藤元彦知事が疑惑を告発され、不信任案が提出され全会一致で可決された。

告発文書では、パワハラや贈答品受領など7項目の疑惑が指摘された。公益通報者保護法の対象外判断に疑念が残る。

斎藤氏は不信任案可決後、解散か失職の選択を迫られる。告発文書の疑惑は人事、知事選、贈答品受領、パワハラなどが含まれている。

 パワハラやおねだりなど数々の疑惑を告発された兵庫県の斎藤元彦知事(46)が19日、開かれた県議会で不信任案が提出され、全会一致で可決された。

 この日の議会の終盤で、県議から不信任案が出されると、斎藤氏は口を真一文字に結びながら聞き入った。投票が始まると、投票する議員の名が呼ばれるたびに小さくおじぎし続けた。

 斎藤氏の疑惑をめぐる告発文書では、パワハラや贈答品受領など、7項目の疑惑を指摘。県民局長だった男性が報道機関などに送付後、県の公益通報窓口にも通報した。ところが、県は公益通報者保護法の対象外と判断し、男性は停職3カ月の懲戒処分を受けた後に死亡した。自殺とみられる。

 8~9月に行われた県議会の調査特別委員会(百条委員会)で斎藤氏は、公務で施設を訪れた際、公用車を降りた後に約20メートル歩かされたことで職員を叱責したという疑いや、職員に付せんを投げた疑い、さらに深夜や休日のチャットで業務を指示していた問題などについて尋問された。斎藤氏は「記憶にない」などと否定している。

 議会での不信任案可決には、議員定数(86議席)の3分の2が出席で、4分の3の賛成が必要。斎藤氏は今後、10日以内に議会を解散するか、失職するかの選択をすることになる。この日の議会前に、報道陣の取材に答え、「その結果を見て判断したい。仮に成立した場合には法律の規定に沿って、自分としてどのような判断をしていくべきかさまざまな選択肢というのを考えていく」と、これまでと同じ主張を繰り返していた。

◇兵庫・斎藤知事告発文書の疑惑7項目

(1)人事=ひょうご震災記念21世紀研究機構の副理事長2人が突然解任

(2)知事選=2021年知事選で幹部職員らが斎藤元彦氏の選挙を手伝い

(3)知事選=次期知事選に向けた投票依頼のため、商工会などに出向いた

(4)贈答品受領=地元企業からコーヒーメーカーやロードバイクなどを受け取った

(5)パーティー券=副知事らが斎藤氏の政治資金パーティー券を商工会などに大量購入させた

(6)優勝パレード=阪神・オリックス優勝パレード費用を信用金庫などから不正に集めた

(7)パワハラ=机を叩いて激怒したり、職員を怒鳴り散らしたりした