「音もなく、すーっと止まった」 車両分離の東北新幹線、乗客は…

AI要約

東北新幹線で車両が分離し、東京行き列車が一時停車した。乗客は初めは異常に気づかず、混乱はなかった。

分離した車両は地上から見ても確認でき、作業員が集まる中、順次復旧作業が行われた。

乗客は予定を狂わせられたが、仙台駅では乗客が混雑し、ダイヤ乱れが影響を及ぼした。

「音もなく、すーっと止まった」 車両分離の東北新幹線、乗客は…

 19日朝、宮城県内を走行中、列車が分離した状態になった東北新幹線古川―仙台間を走行中の東京行き「はやぶさ・こまち6号」は、昼ごろまで停止した現場の線路上にとどまった。車内では当初異常に気づかなかった人もおり、目立った混乱はなかったという。

 車両が分離した現場の周辺は、宮城県大崎市の田んぼが広がるエリア。地上から見ると、線路上で、はやぶさとこまち両方の車両が午前11時すぎまで停車しているのが確認できた。

 はやぶさがとどまる線路の下の道路付近には、作業員が集まっていた。分離したはやぶさとこまちの間からは、対向を走っていたやまびこ51号が停車しているのも見えた。11時40分前にはやぶさが仙台駅方面に向かって動き始め、残る2車両も正午過ぎ、予定していた方向に向かった。

 分離した新幹線の車両内にいた20代男性は、朝日新聞の取材に「音もなく止まり、駅に停車しただけだと思った。周りの乗客も驚く様子はなかったが、予定が狂い、残念です」。

 盛岡市の国家公務員松村秀男さん(56)も「音もなく、すーっと止まり、何でだろうと思った。アナウンスで知り、車内は少し騒然となった。仕事の電話をかけている人は多かったようだ。午前9時の会議に間に合わなかったが、仕方がない」と話した。

 一方、仙台駅は新幹線のダイヤの乱れで、利用客でごった返した。宮城県多賀城市の甲山美紅さん(40)は午前9時40分発の列車で子どもと函館に向かう予定だった。「人でいっぱいで、まさかと思った。予定は崩れちゃうけど、今日中に向こうに行ければ」と話していた。(岸めぐみ、阿部育子、吉村美耶)