扉が自然と空く家も…『リニア工事』約7年ストップの静岡工区で“一歩前進”も岐阜ではトラブル続く

AI要約

リニア中央新幹線のトンネル工事による地盤沈下の影響で、岐阜県瑞浪市で住宅の調査が始まった。

工事の中断や遅れが相次いでおり、静岡県では新たな動きもある。

リニア関連の工事で地盤沈下や作業員の重傷事故が発生しており、開業予定は遅れる見込み。工事再開に向けて調査が進められている。

扉が自然と空く家も…『リニア工事』約7年ストップの静岡工区で“一歩前進”も岐阜ではトラブル続く

 リニア中央新幹線のトンネル工事の影響で地盤沈下が確認されている岐阜県瑞浪市で9月18日、住宅の調査が始まりました。

 工事の中断や遅れが相次いでいますが、静岡県では新たな動きがありました。

 リニアの建設を目指し、各地で工事が進められています。名古屋駅でも駅建設の工事が続いていますが、岐阜県瑞浪市では工事が中断され、調査員が家屋の傾きを調べていました。

リニアのトンネル掘削工事が行われている瑞浪市大湫(おおくて)町では、2024年5月以降、工事が原因の可能性がある最大2.4センチの地盤沈下が確認されたことから、18日からおよそ60世帯を対象にした家屋調査を始めました。

この日、調査を受けた大内延男さん(83)の自宅は、壁と地面のあたりに1センチほどの溝が確認でき、地面のコンクリートも所々で割れてしまっています。

大内さん:

「(玄関の戸が)戻ってきちゃう。ゆっくり閉めてもダメ」

大湫町ではこうした住宅が他にもあることから、JR東海は5月中旬から周辺のトンネル工事を中断しています。

大内さん:

「今日の調査の結果を見て、また(JRと)お話をするということですね。うちでは、どうしようこうしようはできませんから。これから(トンネル工事が)進行して、どういう変化が出るか出ないかが問題じゃないかな」

他にも、多治見市にある「大針工区」のトンネル工事現場では、2024年7月、掘削工事をしていた44歳の男性作業員に掘削面の岩が崩れて当たる事故があり、下あご骨折などの重傷を負いました。

この現場では、作業員の頭上に岩などから守るガードが設置されないなど、作業手順が守られていないことも明らかとなり、工事再開のめどは立っていません。

 リニアの開業予定は、当初の2027年から2034年以降に遅れる見込みですが、工事の前進に向けて9月17日、新たな動きがありました。

鈴木康友静岡県知事:

「調査というのは、工事を進めるにあたって必要なものだと。今回こうしてボーリング調査実施について進められることはよかったなと思います」