観光船「カズワン」沈没事故 知床遊覧船社長の桂田精一容疑者を逮捕 遺族「厳罰求める」 海保は認否明らかにせず

AI要約

北海道知床沖で発生した観光船沈没事故から2年5か月が経過し、運航会社の社長が業務上過失致死の疑いで逮捕された。

事故では乗客乗員20人が死亡、6人が行方不明となり、長期にわたる捜査の結果、運航管理者の桂田容疑者が逮捕された。

遺族やボランティアたちの厳しい声もあり、責任の追及が社長へと向けられている。

観光船「カズワン」沈没事故 知床遊覧船社長の桂田精一容疑者を逮捕 遺族「厳罰求める」 海保は認否明らかにせず

おととし、北海道知床沖で発生した観光船沈没事故から2年5か月。運航会社の社長が業務上過失致死などの疑いできょう、逮捕されました。

白いシャツに身を包み、網走海上保安署に入る男。沈没した観光船の運航会社「知床遊覧船」社長の桂田精一容疑者(61)です。きょう、業務上過失致死などの疑いで逮捕されました。

この事故はおととし4月、知床沖で観光船「カズワン」が沈没し、乗客乗員20人が死亡、6人が行方不明になったものです。事故から2年5か月、きょう、事態が動きました。

第1管区海上保安本部 藤田望 警備救難部長

「被疑者・桂田精一を業務上過失往来危険、および業務上過失致死の疑いで通常逮捕した」

海上保安庁は「カズワン」の甲板のハッチが開いた部分から浸水したことが沈没の直接の原因としたうえで、運航管理者だった桂田容疑者が安全確保のための義務を怠ったと判断し、逮捕に踏み切りました。

第1管区海上保安本部 蠣崎孝司 刑事課長

「乗客乗員26人全員が死亡・行方不明となり、事故の目撃者がいない中、さまざまな鑑定や気象データ分析など、証拠を丹念に積み重ねる必要がある難しい捜査を2年以上にわたり続けた」

海上保安庁は桂田容疑者の認否について、明らかにしていません。

千葉県から知床を訪れ、帰らぬ人となった乗客の橳島優さん(当時34)の両親は…。

橳島さんの両親

「やっとスタート地点に立てましたが、これから本番が始まると思うと、いまだ気が重いです。潔く自分の罪を認めてほしいですし、できるかぎり重い処罰がくだされることを望みます」

別の遺族は…。

遺族

「逮捕の報道を聞いてほっとした。しかるべき捜査のうえ、厳罰を求める」

現地で捜索を続けてきたボランティアの男性は…。

捜索ボランティア 桜井憲二さん

「(桂田容疑者は)自分が代表者として何をしたのか、よく理解して反省してほしい」

責任の追及は、ついに社長への強制捜査という形で捜査機関に委ねられることになりました。