「組織に打撃与える取り締まりを」トクリュウ対策で警察庁長官が全国捜査幹部に訓示

AI要約

警察庁が全国警察の捜査部門の課長ら約340人を集めた会議を開催し、SNS型投資・ロマンス詐欺や窃盗・盗品流通事件などの組織的な犯罪に対処する取り締まりを徹底する方針を示した。

今年上半期の特殊詐欺被害額やSNS型詐欺被害額が過去最悪であることを指摘し、壊滅に向けた実態解明と取り締まりの強化を求めた。

さらに、太陽光発電施設の金属ケーブル盗難が増加していることから、盗品流通事件への対処と盗品処分先の検挙、犯罪収益の剥奪を徹底するよう指示が出された。

「組織に打撃与える取り締まりを」トクリュウ対策で警察庁長官が全国捜査幹部に訓示

警察庁は18日、全国警察の捜査部門の課長ら約340人を集めた会議を東京都内で開催した。露木康浩長官は、交流サイト(SNS)型投資・ロマンス詐欺や窃盗・盗品流通事件などの組織的な犯罪を繰り返す匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)について「真に組織に打撃を与える取り締まりを徹底してほしい」と訓示した。

今年上半期の特殊詐欺の被害額は約230億円、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は約660億円と1日当たり約5億円の被害が出ており、露木氏は「過去最悪の被害で、極めて深刻な事態」と指摘。その上で「壊滅に向け、実態解明や徹底した取り締まり、犯行ツール対策を推進するなど検挙と抑止を両輪とする総合的な対策を進めてほしい」と述べた。

また、今年6月までに太陽光発電施設の金属ケーブル盗難が全国で4161件発生するなど、窃盗・盗品流通事件が急増しており、露木氏は「悪質な盗品処分先や中核的人物の検挙を視野に取り締まりを強化し、盗品などの売却によって得た犯罪収益の剥奪を徹底してほしい」と指示した。