割れる「選択的夫婦別姓導入」の是非 自民党総裁選の“争点”に 9人の候補の意見は

AI要約

選択的夫婦別姓の導入をめぐる自民党総裁選の議論には賛否が分かれており、候補者の意見も様々である。

経団連や一部候補者は制度の導入を求めており、その必要性を強調している一方で、議論が十分でないという声もある。

また、一部の候補者は議員票の問題などから選択的夫婦別姓に踏み込めない状況である。

割れる「選択的夫婦別姓導入」の是非 自民党総裁選の“争点”に 9人の候補の意見は

自民党総裁選の告示から1週間。9人の候補の意見が大きく割れているのが「選択的夫婦別姓の導入」の是非です。候補者の中には「賛成」と明言できない事情を抱えている人もいるようです。

あなたは選択的夫婦別姓の導入に賛成ですか?反対ですか?

「自由でいいんじゃないかと思います」

「なるべく慎重にした方がいい」

自民党 小泉進次郎 元環境大臣(43)(9月6日)

「選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的な議論を進めます」

自民党総裁選の争点に浮上した、選択的夫婦別姓の導入。この制度をめぐっては、およそ30年前、法務大臣の諮問機関である法制審議会が制度の導入を含む民法改正案を答申しています。

ただ、保守系議員の反対などで法案は提出されず、その後、議論は停滞してきました。

女性の社会進出も進む中、今年、経済界からは…

経団連 十倉雅和 会長(6月10日)

「現在の制度を改め、希望すれば不自由なく自ら姓を選択できる制度を求めてまいります」

経団連は今年6月、制度の導入を求める政府への提言をまとめました。

総裁選の争点にも浮上する中、小泉元環境大臣や河野デジタル大臣、石破元幹事長が導入に賛成する考えを示す一方、慎重な姿勢を見せる候補も。

自民党 高市早苗 経済安保担当大臣(63)

「例えば、婚姻前の氏の通称使用に関する法律案。これが通れば、ほとんど不便はなくなる」

自民党 加藤勝信 元官房長官(68)(9月10日)

「旧姓について、いわゆる通称使用に留めることなく、法律上の姓として使用を認めることもあり得る」

▼通称使用の拡大や、▼旧姓を法律上も認めることで、不便の解消は可能だと訴える候補たち。家族同姓制度の維持を主張しますが、街の人の意見は様々です。

「夫婦別姓というのは本当の本当の最終手段なのかなと思うので、急いでやる必要があるのかなと思います」

「(Q.名字が違っても家族の絆は変わらない?)変わらないと思いますけどね。(Q.家族間の問題?)そうだと思います」

さらに、候補者からはこんな声も。

自民党 小林鷹之 前経済安保担当大臣(49)

「兄弟姉妹でその姓が分かれる可能性のある家庭も出てくるわけで、そこを例えばどう考えるかとか、そこは慎重に検討すべき」

夫婦別姓で子どもの姓はどうするのかなど、議論が尽くされていないとの主張。

「子どもからすると難しいかもしれないですね」

「家族でよく話し合わないと、きっと難しい部分があると思いますよね。簡単には決められない」

候補者の間でも賛否が割れる選択的夫婦別姓ですが、林氏、上川氏は“個人としては賛成”との立場をとりつつ、「社会を分断しかねない」として議論を重ねる必要があると強調します。

ただ、理由はそれだけではないようです。

ある陣営の関係者

「選択的夫婦別姓の導入に踏み込むと議員票が減ってしまう。応援してくれる議員との関係もあって踏み込めない」

先送りされてきた選択的夫婦別姓をめぐる議論は、総裁選の議論を通じて深めることは出来るのでしょうか。