【独自】北朝鮮から生存情報も「見捨てられた」拉致被害者 当時の担当大臣取材応じる

AI要約

安倍政権で拉致問題担当大臣を務めた古屋圭司衆院議員は、北朝鮮との拉致問題が解決に近づいた瞬間があったと語る。

水面下で北朝鮮からの「中間報告」により2人の生存情報が伝えられたが、政府はこの情報を受け取らず、非公表とした。

特定失踪者問題調査会の岡田和典常任顧問は、政府のこの対応に不満を抱いており、2人が見捨てられたと非難している。

【独自】北朝鮮から生存情報も「見捨てられた」拉致被害者  当時の担当大臣取材応じる

拉致議連会長 元拉致問題担当大臣 古屋圭司衆院議員

「(北朝鮮は)必ずその限界が決ます。その時が拉致を一気呵成に解決するチャンスなんです」

安倍政権で拉致問題担当大臣を務めた古屋圭司衆院議員。膠着していた拉致問題が解決に近づいた瞬間があったと明かします。

拉致議連会長 元拉致問題担当大臣 古屋圭司衆院議員

Qひとつのチャンスだったということですね?

「チャンスだったね」

2014年5月の「ストックホルム合意」北朝鮮が「解決済み」としていた横田めぐみさんなど拉致被害者の再調査を約束しました。

拉致議連会長 元拉致問題担当大臣 古屋圭司衆院議員

「これもう私はね、本心では当時の安倍総理に『こんなふざけた合意はまずいんじゃないですか』って話したことがある。というのは、もうみんな拉致をしたのが誰かって分かってるわけだから、それを再調査するっていうのはちょっと茶番のようなもんなんで。そしたら総理は『そんなことは百も承知だ』と。『しかしこれはチャレンジなんだよ』と。『だからこのストックホルム合意をしたんだ』って」

実はこのとき水面下で、北朝鮮が再調査の「中間報告」として「2人の生存」を伝えてきました。神戸出身の田中実さんと金田龍光さん。しかし、日本側はその報告を受け取らず、非公表としたのだといいます。番組の取材に、複数の政府・与党関係者が認めました。

政府関係者A(当時)

「総理ら政権首脳はずいぶん考えたと思う。でも結局、これじゃあ受け取れない、世論が納得しないということで再調査を求めることになった」

政府関係者B(当時)

「(総理官邸では)この2人では、政府として世論を説得できないという議論になった」

拉致議連会長 元拉致問題担当大臣 古屋圭司衆院議員

Q生きているという情報を政府は受け取らなかった?

「家族会も拉致被害者の全員帰国(の立場)なんですね。ごくごく一部で手を打たれるということはあってはいけない。安倍総理はそういうふうに考えたと思いますね」

北朝鮮が「中間報告」を伝えてきたのは古屋氏が拉致担当大臣を辞めた後。その後、古屋氏は自民党の拉致問題対策本部長を務めています。

拉致議連会長 元拉致問題担当大臣 古屋圭司衆院議員

「あれだけをポッと最初に認めてしまうと『これで終わりだよね』というリスクもあるわけじゃないですか。そこはやっぱり安倍総理がしっかりと判断したんじゃないかなというふうに思います」

Q中間報告に2人が入っていると知っていた?

「それは側聞してます」

特定失踪者問題調査会 岡田和典 常任顧問

「拉致被害者の有本恵子さん、田中実さん、金田龍光さん、みなさん同じ神戸市民でございます」

20年以上前から2人の救出活動を続けてきた特定失踪者問題調査会の岡田さんは、政府の対応に憤りを抱いています。

特定失踪者問題調査会 岡田和典 常任顧問 

「政府はですね、この2人の情報を拒否したわけですね。はっきり言えば切り捨てたんですよ、見捨てたんですよ。こんなバカなことが許されて良いわけがないじゃないですか」

Q政府はなぜ見捨てたと?

「(2人の)ご家族が表に出ないからです」