除染土再利用、基準に合致 IAEAが最終報告書

AI要約

IAEAは福島県内の除染土を再利用する国の計画を安全基準に合致していると評価

福島第1原発事故による除染土は全国の公共工事などに使用し、処分量を減らす方針

除染土の最終処分が2045年までに県外で行われることが法律で定められているが、場所未定

 国際原子力機関(IAEA)は10日、東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染土を再利用する国の計画について「安全基準に合致している」と評価する専門家会合の最終報告書を伊藤信太郎環境相に提出した。国は第1原発周辺に設けた中間貯蔵施設に搬入した除染土で放射性物質濃度が比較的低いものを全国の公共工事などに使い、処分量を減らす方針。

 除染で出た土などは2045年3月までに県外に搬出して最終処分すると法律で定めているが、場所は決まっていない。再利用は国民理解が課題となっており、国際機関の評価を得て本格化に向けた動きを加速させる狙いがある。

 中間貯蔵施設には、これまで土など約1400万立方メートル(東京ドーム11個分)を搬入。最終処分や再利用を所管する環境省の要請を受けたIAEAは昨年5月以降、貯蔵施設や除染土を使った福島県内の実証事業を視察するなど会合を重ね、評価や助言をまとめた。

 報告書は、放射性セシウム濃度1キログラム当たり8千ベクレル以下とする再利用基準を「十分に達成できる」と評価した。