小惑星りゅうぐうの水に「塩分」 鉱物保存寄与か、海洋機構

AI要約

探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうで採取した砂から、塩分が多く含まれていたことが分かった。

これらの塩分が、りゅうぐうの鉱物や有機物の保存に役立った可能性がある。

研究成果は宇宙空間や地球誕生以前の太陽系の物質の理解に重要な知見を提供する。

 探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうで採取した砂から、かつて存在した水に含まれていた成分を調べたところ、ナトリウムやマグネシウムなどの「塩分」が多かったことが分かったと、海洋研究開発機構(海洋機構)や九州大などの研究チームが5日、英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表した。これらの塩分が、りゅうぐうの鉱物や、さまざまな有機物の保存に役立った可能性がある。

 海洋機構の吉村寿紘副主任研究員は「宇宙空間に飛散しかねない揮発性の物質が残った理由と言える」と話している。成分の割合も分かり、地球誕生以前の太陽系の物質や、地球の海水の成り立ちを調べる上で重要な知見になるという。