“防災をコミュニケーションの手段として”慶応義塾大学の大木聖子准教授が語る 日常を豊かにする防災の重要性

AI要約

慶応義塾大学の准教授が高知市夏季大学で防災について講演。

大木聖子准教授は南海トラフ地震や地震のメカニズムを解説。

防災は災害に備えるだけでなく、日常生活に取り入れる前向きな手段として考える。

“防災をコミュニケーションの手段として”慶応義塾大学の大木聖子准教授が語る 日常を豊かにする防災の重要性

地震学の専門家である慶応義塾大学の准教授大木聖子さんが高知市夏季大学で講演を行った。日常をよりよくする防災について語った。

7月23日、高知市夏季大学で講演をしたのは地震学・防災教育の専門家、慶応義塾大学環境情報学部准教授の大木聖子さん。大木さんは何度も高知県を訪れていて、県内各地で防災ワークショップを行っている。

10年前から土佐清水市と一緒に防災教育を行っている大木さん。高知市には訪れる機会がなかったのか、「高知空港に着くとそこから(土佐清水市まで)3時間半の旅ですね。高知市にストップしたことがないので、きょうはとてもうれしく」と笑顔で話す。

大木さんは南海トラフ地震とは何か、地震のメカニズムを実験の動画を交えながらクイズ形式で解説。

「地震の正体は実は地面がスパっと割れる現象なんですね」と、地震とは地面が割れて、ずれ動き揺れが伝わる現象だと説明する大木さん。

自分が災害に遭遇することを「自分ごと」として考えることが大切だと訴える。そのための「防災小説」を会場の人たちが自分のスマホを使って体験した。

来週火曜日の朝に地震が起こるという想定で、そのとき自分と家族は何をしているのかを会場の人たちがスマホの「防災小説」で体験。「防災小説」に書き込むと、会場のモニターに書き込んだ内容が映る。地震が起きた時の状況やそのときの気持ち、最後は希望のある結末を考えた。

そして、「防災っていうのは地震が起きた瞬間に生きるためにやっているのではなくて、それがおこるまでの毎日毎日が実はいとおしい日々なんですよね。その日々を守るために防災をやる」と会場で話した。

大木聖子准教授:

防災っていうのは自分にとって大切な人や場所を増やしていくこと。防災を目的にするのではなくて、手段として使って職場の一体感を出すとか学級が仲良くなるとか家族で会話が増えるとか、そういうふうに手段として防災をとらえて何ができるかなっていうふうに考えていただく。

大木さんは防災とは災害に備えるためだけの課題ではなく、日常生活の中にとけ込む形で生活を豊かにする前向きな手段として使うことが大切だと語った。

(高知さんさんテレビ)