〝ピアニスト外交官〟パリ国際コンクールで金字塔 人気ワイン漫画「神の雫」にも登場   国際舞台駆けた外交官 大江博氏(22)

AI要約

元駐イタリア大使が外交の舞台裏を語る。パリとワルシャワのピアノコンクールでの挑戦と成功、公邸での音楽会の裏話、そしてワイン外交の功績について紹介。

コンクールへの挑戦で世界各国のOECD大使の祝福を受ける。パリ、ワルシャワのコンクールで好成績を収める。

公邸での音楽会では日本や海外の著名な演奏家が出演。ピアノ、チェロの演奏を楽しむ。ベルリンフィルのチェリストも参加。

〝ピアニスト外交官〟パリ国際コンクールで金字塔 人気ワイン漫画「神の雫」にも登場   国際舞台駆けた外交官 大江博氏(22)

公に目にする記者会見の裏で、ときに一歩も譲れぬ駆け引きが繰り広げられる外交の世界。その舞台裏が語られる機会は少ない。ピアニスト、ワイン愛好家として知られ、各国に外交官として赴任した大江博・元駐イタリア大使に異色の外交官人生を振り返ってもらった。

■OECD事務総長「決勝、どうだった?」

《2017年からの経済協力開発機構(OECD)代表部大使時代、世界三大アマチュアコンクールのうち「パリ国際アマチュアピアノコンクール」、ワルシャワの「アマチュアピアニストのための国際ショパンピアノコンクール」に挑戦した》

パリ勤務となった私の夢は仕事以外に、この2つのコンクールで入賞することでした。それぞれ2回ずつ挑戦し、2回目で、パリのコンクールで5位、ワルシャワのコンクールで特別賞をもらいました。予選から決勝までの結果はネットに掲載されるため、それぞれ段階を通過するたびに、各国のOECD大使らからお祝いのメールやLINEが届きました。

パリのコンクールで決勝に進んだときは、米国出張中のグリアOECD事務総長が「結果はどうだった?」と電話をかけてきました。

■公邸にピアニスト、チェロ奏者…

《公邸で催す夕食会はいつも、自身のピアノ演奏で始まった》

パリには、国内外から多くの演奏家が集まっており、公邸で、私とジョイント・サロン・コンサートをしてくれました。たとえば、バイオリニストの小林美恵さん、ユーチューバー「かてぃん」として有名な角野隼斗君です。

また、年間100回ほどコンサートをするピアニストの横山幸雄さんは日本で4日間予定が空くと、パリを訪問。私のパリ赴任中、実に22回も公邸に来てくれました。彼は毎朝7時半ごろから夕方まで、食事も取らずに公邸のピアノで練習。夕食会では私が1曲弾いた後、リクエストした曲を弾いてくれました。

ベルリンフィルのチェリストが公邸に来てくれた際には、彼が2台のチェロとピアノ用に楽譜を編集し、彼とチェロ奏者でもある藤井太郎参事官、私の計3人でサロンコンサートをしました。ちなみに藤井君は、5歳から「ジュリアード音楽院」(ニューヨーク)の幼児コースでチェロを始め、公務員試験直前に、桐朋音大のソリスト科にも合格したほどの腕前です。

■ワイン外交の〝威力〟