高校生が知事を鋭く追及 タブレット端末代の自己負担「県の考えは」

AI要約

香川県が高校生に向けて知事記者会見を開催し、人口減少や観光振興などについての質問に応じた池田知事の取り組みを紹介。

高校生たちが参加し、総文祭や新県立アリーナなどに関する質問が行われ、さら問いもあった。

ICTの活用に関する質問では、端末負担の問題が取り上げられ、知事が検討を約束。会見後、高校生は自治体の活動に興味を持ったとコメント。

高校生が知事を鋭く追及 タブレット端末代の自己負担「県の考えは」

 高校生に身近な行政へ興味を持ってもらおうと、香川県は9日、高校生たちが記者役をする「知事記者会見」を開いた。高校生からは人口減少や観光振興についての質問が相次ぎ、池田豊人知事が県の取り組みや方針を紹介した。

 高校生による知事の記者会見は今回が初めての取り組み。他県での同様の取り組みを知った池田知事が自ら企画を指示した。

 会見には、県立高校5校(三木、高松東、高松西、丸亀、観音寺第一)の新聞部や生徒会、放送部から17人が参加し、普段から記者会見が行われている県庁の県政記者室で行われた。

 高校生からは、来夏に県内で開催される全国高校総合文化祭(総文祭)や、来年オープン予定の新県立アリーナなどについての質問があった。

 池田知事は「総文祭で香川に来られた方と県民が一緒に良い思い出とできるよう、県もサポートしていきたい」「県立アリーナはユニークで非常に大きな建物。遊覧船を出し、会場からの眺望や撮影を楽しんでもらうなど、企画を準備したい」などと答えた。

 事前に準備した質問以外にも、回答に質問を重ねる「更(さら)問い」もあった。

 高松西高校の菊川太一さん(2年)は、「ICT(情報通信技術)の活用」の質問に関連し、県が来年度以降の県立高校入学者に対し、学習に使うタブレット端末を自費購入とする方針を示していることに言及。

 「自分たちの代は、端末を県が貸し出してくれた。その支援がなくなると、子どもたちがICTを活用できなくなるのではないか。考えを聞きたい」と問いただした。

 池田知事は「いきなり私費負担になることに対しての負担感は大きい」とした上で、「今の段階でどういうことが適切なのかをもう一度検討し、改めて一定の方針を固めていきたい」と応じた。

 菊川さんは会見後、「うまく質問をまとめられなくて悔しかったけど、香川の自治体の活動やニュースについて、もっと知ろうと思えた」と話した。

 高校生が参加した今回の知事会見は、期限付きで県のサイト上で公開する予定だという。

 報道各社が参加する定例知事会見は、原則毎週月曜日の午後に開かれており、県の公式サイト(https://www.pref.kagawa.lg.jp/kocho/chijipage/chijiteirei/index.html)で動画や文字起こしした内容を見られる。(山田健悟)