斎藤・兵庫県知事パワハラ疑惑 市長会、臨時会議「県政停滞、危機的」「公益通報に相当」意見さまざま

AI要約

兵庫県知事らを告発した文書問題を巡り、県政の停滞、混乱が懸念されている。

兵庫県内の市長会が臨時会議を開催し、現在の県政について意見交換が行われた。

市長会は意見をまとめ、斎藤知事に伝え、県政の停滞を防ぐよう要請する。

斎藤・兵庫県知事パワハラ疑惑 市長会、臨時会議「県政停滞、危機的」「公益通報に相当」意見さまざま

 斎藤元彦・兵庫県知事らを告発した文書問題をめぐり、県政の停滞、混乱が危惧されている。

 こうした中、兵庫県内の29市長で構成する県市長会(会長 酒井隆明・丹波篠山市長)が7日、神戸市内で臨時会議を開催し、現在の県政をめぐる諸問題について意見交換した。

 市長会の臨時会議は異例。約1時間半の会合はすべて報道機関に向けて公開された。

 今後、県と市が連携する事業への影響も指摘され、10人近い市長からの要望があり、市長会としての見解を示す必要があると判断した。

 急きょ開催が決定したこともあり、公務や議会開会中などで欠席した市長もおり、参加は22市。

 冒頭、県市長会長の丹波篠山市・酒井隆明市長は、「今の兵庫県政は大変ゆゆしく危機的な状態だ。斎藤知事の就任後3年間を踏まえ、今後、県と市がどういう関係を築くべきか、対等な立場で連携を取ることができたら」と述べた。

 小野市の蓬莱務市長は、「(現在の県政について)無関心でいいのか。告発内容の是非を論じるのではなく、県内の首長がこの状況が望ましいのかどうかを論じなければならない」と述べた。

 一方、神戸市の久元喜造市長は、「文書問題発覚以降、(県政で)異常な事象が積み重なっている。しかし、これは県政としての問題であり、県知事、県庁内の職員、県議会で話し合うべきだ。県と市、それぞれ独立性があり、客観的に見て議論すべきだ。各市の予算編成に影響が生じないようにしてもらいたい」と発言した。

 西宮市の石井登志郎市長は、「この事態を招いた斎藤知事がしっかりこの問題と向き合うべき」と述べた。

 そして、「さまざまな施策をめぐる県と市の連携もある。コミュケーション不足だったことは否めない。今こそ、基礎自治体の首長と膝を突き合わせて話をすべき」とした。

 川西市の越田謙治郎市長は、「(現在の県政は)非常に危機的だ。株価の暴落などで緊急経済対策への対応も求められるかも知れないし、阪神・淡路大震災30年に向けた取り組みなどの連携も必要になる。(県は)体制をすぐに整えるべきではないのか」と問題を提起した。

 越田市長はさらに、「知事がしっかり伝えるべきことを伝えていない。毎回の定例会見が2時間を超えているのは、“堂々めぐり”の受け答えに終始していることに過ぎない」と批判した。  

 酒井会長は会議終了後「多くの県民が心配している。会合では特に、“今回の告発が公益通報に当たるのかどうか”について議論されたが、(亡くなった)元県民局長は、県が幹部として選んだ立場の職員。この訴え(告発)を精査せずに処分対象としたことへの検証は重要だ。『嘘八百』と決めつけたことが、今回の混乱の原因ではないか」と話した。

 市長会はこれらの意見を集約し、8月23日に斎藤知事に伝え、県政が停滞しない体制を整えるよう求める。