出版社にDDos攻撃容疑で逮捕 海外サービス利用、国際捜査で発覚

AI要約

25歳の男性がDDos攻撃を行い、大分市で逮捕された。攻撃はサービスサイトを通じて出版社のウェブサイトに大量のデータを送りつけ、閲覧できない状態にした疑いがある。

欧州警察機構の捜査により、DDos攻撃に使われるサイトを封鎖する取り組みが進められており、日本にも影響が及んでいる。

捜査により得られた情報に基づき、警察庁のサイバー特捜部が容疑者を摘発。サイバー犯罪に対する取り組みが強化されている。

出版社にDDos攻撃容疑で逮捕 海外サービス利用、国際捜査で発覚

 大量のデータを企業のサーバーに送りつけてウェブサイトを閲覧できなくするサイバー攻撃(DDos攻撃)をしたとして、警察庁は6日、大分市の男(25)を電子計算機損壊等業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。DDos攻撃は世界中で被害が頻発。登録して利用料を払い、攻撃先を指定すれば誰でもDDos攻撃を行える海外のサービスサイトがあり、男も利用していたという。

 欧州警察機構(ユーロポール)が主導してこうしたサイトを封鎖する捜査が続いており、日本に関する情報が提供されて今回の逮捕につながったという。

■閲覧障害1時間半 「ストレス発散のため」と供述

 逮捕されたのは大分市の配管工、赤坂篤洋容疑者。警察庁サイバー特別捜査部によると、2022年3月17日に2回、サービスサイトを通じて東京都の出版社のサーバーに大量にデータを送って負荷をかけ、同社のウェブサイトを閲覧できない状態にした疑いがある。閲覧できなかったのは計約1時間半で、赤坂容疑者は容疑を認めているという。

 米連邦捜査局(FBI)や欧州各国の捜査機関が参加した国際共同捜査は18年に始まった。22年12月のユーロポールの発表では、DDos攻撃に使われる50ほどのサイトを機能停止にし、運営者ら7人を逮捕した。

 この捜査で得られた日本国内のサービスサイト利用者や攻撃先に関する情報が昨秋、警察庁に提供され、サイバー特捜部が情報を解析するなどしてきた。

 サイバー特捜部の前身組織が22年4月に発足以降、単独の捜査による容疑者の摘発は初めて。(編集委員・吉田伸八)