ホンモノの「保守政治家」とは何か…次期総理候補ナンバー1!石破茂元防衛相が語る「日本の安全保障の落とし穴」

AI要約

石破茂氏が台湾を訪問する理由や議員のグループの活動について語っている。

石破氏がウクライナと台湾の安全保障問題を比較し、アメリカの対応について言及している。

石破氏が台湾における中国の脅威と抑止力の重要性について考察している。

ホンモノの「保守政治家」とは何か…次期総理候補ナンバー1!石破茂元防衛相が語る「日本の安全保障の落とし穴」

前編記事『【総裁選インタビュー】石破茂が語った「総理大臣という天命」…国民人気トップを独走する男がついに本心を明かした!』では石破茂氏が政治への想いとこれからの展望を、新著『保守政治家 わが政策、わが天命』をもとに熱く語ってきた。後編記事ではさらに石破氏が日本の防衛政策にも踏み込んでいく。

ーー外遊その他は?

石破8月12~14日は台湾に行く予定です。「日本の安全保障を考える議員の会」という、防衛大臣、副大臣経験者を中心として超党派で作った会の仲間たちと一緒です。

この会は、中谷元さんや浜田靖一さん(いずれも防衛相経験者)など、思想的な偏りがなく、かつ、防衛政策について装備も法律も運用も知っている議員の集まりです。昔「21世紀の安全保障を考える若手議員の会」としていたものを、今の若い世代の議員たちにも参加してもらって続けていて、そのメンバーで一昨年も訪台、蔡英文総統や頼清徳副総統らとそれぞれ1時間、濃密かつ実質的な会談をしました。今年はまた向こうから話があって、頼新総統らと意見交換する予定です。

ーー何を話しますか?

石破現下の台湾海峡を中心とする東アジアの安全保障問題について、腹を割った意見交換をしてきたいと思っています。

「今日のウクライナは明日の東アジアだ」と常套句のように言う人たちがおられるが、そんな単純かつ乱暴な議論では実質的な安全保障体制の構築はできないと思います。

ーーウクライナと台湾海峡とはどう違うと?

石破バイデン米大統領は、「ウクライナはNATO(北大西洋条約機構)に加盟していないから防衛義務を負わない」と、言わずもがななことを言いました。国連憲章51条により、被攻撃国から救援要請があった場合に国連安保理の決定が下りるまでの間、集団的自衛権を行使することができるというのは、すべての国の権利です。それはウクライナがNATO加盟国ではないからと否定されるものではありません。

いくらバイデン氏が国内世論を気にしたとはいえ、先に「ウクライナには行かない」と言う必要はありませんでした。「あらゆる選択肢を放棄しない」と言っておけばよかったのです。

ーー集団的自衛権の行使まで否定してしまった。

石破それがロシアのウクライナ侵攻の1つの理由になったと私は思っています。ですから、「今日のウクライナ論」を言うなら、米国に対して、このバイデン大統領の態度を質すべきです。ウクライナ問題を台湾問題に置き換えて考えた時、台湾には集団安全保障どころか二国間同盟もない。前提条件はウクライナより悪いとも言えます。この状況で中国を抑止するためには戦略の不断の見直しが不可欠です。

ーー米国の「台湾問題」対応にはウクライナ対応への失敗という伏線があった?

石破もちろん米国は失敗とは認めないでしょう。しかし、ロシアの抑止に失敗したことは事実で、頼総統とはその話もできたらと思っています。独立を望まない台湾に対して、中国が実力を行使する理由はどこにもないはずです。それを踏まえてなお、我々が準備しなければならない抑止力のあり方について議論したい。