北アルプス常駐隊初の看護師資格者 病院勤務経て山ガイド、専門性を生かして応急処置

AI要約

北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会の夏山常駐隊に看護師の奥山愛さんが加わった。奥山さんは熱中症などへの対応を積極的に行い、今後も活動を続ける予定。

奥山さんは山岳での経験を活かし、涸沢カールで隊員として活動している。その中でも登山者のけがや安全指導に重点を置いている。

奥山さんは北アルプスの景色を愛し、涸沢周辺での活動に意欲を持っている。遭難救助だけでなく、隊員のメンタルケアにも取り組んでいる。

北アルプス常駐隊初の看護師資格者 病院勤務経て山ガイド、専門性を生かして応急処置

 北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会の夏山常駐隊に今季、看護師の資格を持つ奥山愛さん=松本市=が加わった。同隊としては初の看護師資格を持つ隊員で、奥山さんは熱中症への対応など専門知識を生かして登山者への声がけなどを積極的に実施。今回は7月26日で下山したが、秋や来年にも予定している。

 奥山さんは看護師として病院で3年間働いた後、2006年から奥穂高岳に近い穂高岳山荘で働き始めた。2023年まで計11シーズンを北アで過ごし、冬はニュージーランドの最高峰マウントクック(標高3724メートル)で自然ガイドなどをしてきた。昨年秋で穂高岳山荘を離れ、現在は、山のツアーガイドなどをしている。

 稜線(りょうせん)が広がる北アの景色を愛している奥山さん。再び穂高連峰が見える涸沢周辺で役に立ちたい―。知り合いだった同隊隊長に連絡し、常駐隊に加わることになった。

 常駐隊は涸沢カール(標高2300メートル)に拠点を設け、隊員14人態勢で、遭難者の救助やパトロール、登山者への安全指導などをしている。奥山さんは、登山者のけがの応急処置や声がけを行う。その上で、「厳しい任務に携わる救助隊員の精神的な面でもフォローしていきたい」と話している。