立民代表選、泉氏と枝野氏の動きが水面下で過熱 野田元首相の動向も焦点、「第3の候補」求める声も

AI要約

立憲民主党代表選に向けた泉健太代表の立候補動きと枝野幸男衆院議員の動向が活発化。

泉氏は推薦人確保に奔走し、政治資金規正法改正などで支持率伸び悩む立民が再生を目指す中、次期衆院選への影響も注目される。

代表選は9月に予定され、投開票日を9月16日に決定予定。各候補の動向が党内外で注目を集めている。

立民代表選、泉氏と枝野氏の動きが水面下で過熱 野田元首相の動向も焦点、「第3の候補」求める声も

 9月に予定される立憲民主党代表選に向けた動きが活発化している。泉健太代表(50)が立候補に必要な推薦人20人の確保を急げば、前代表の枝野幸男衆院議員(60)は重鎮らと面会を重ねる。自民党派閥の裏金問題で政治への信頼が揺らぐ中、立民は政治資金規正法改正で主導権を握れず、政党支持率も伸び悩む。次期衆院選をにらみ、野党第1党の存在意義も問われる選挙となりそうだ。

 「党再生に成果を出してきた。仲間に相談した上で出馬表明すべきだ」。7月31日夜、泉氏を支えるグループ「新政権研究会」のオンライン役員会。参加議員からの“立候補要請”に、泉氏は「感謝する。国民のためを第一に考えたい」と笑顔をのぞかせた。

 泉氏は2021年11月に代表就任。党政策の旗頭だった消費税減税を次期衆院選の公約の原案となる中長期の経済政策から外すなど「現実路線」の党運営を図ってきたが、リベラル系議員からの反発は根強い。自民の逆風下で臨んだ4月の衆院3補欠選挙には全勝したものの、7月の東京都知事選では、支援した元参院議員の蓮舫氏が惨敗。交代論が噴き出している。

 中堅議員は「右も左も包括するには最適の人材だ」と評するが、泉氏を明確に支持する議員は「10人強」(周辺)にとどまる。水面下で若手・中堅議員に接触するなど幅広い支持を取り付けようと躍起だ。

 一方の枝野氏。7月9日に顧問を務めるグループ「サンクチュアリ」創設者の赤松広隆・元衆院副議長と会談。同30日には前回代表選で泉氏を支援するも、処遇を巡る不満などから「泉降ろし」の急先鋒(せんぽう)である小沢一郎衆院議員と面会し、立候補へと準備を進める。

 21年衆院選に敗れ、引責辞任した枝野氏。党執行部とは距離を置き、党内には「衆院選で敗れた人を再び代表に据える理由がない」(中堅)との指摘もあるが、リベラル系議員を中心に推薦人を確保する見通し。側近は「自民党を追い込む今こそ、党をまとめるリーダーシップが党首に必要だ」と訴える。

 党重鎮の動向にも注目が集まる。野田佳彦元首相は自身の立候補には否定的だが、旧民主党政権で対立した小沢氏と会談し、代表選について意見交換を重ねる。盆明けにはそれぞれのグループで対応を決める方針で、ベテランは「影響力のある野田、小沢両氏の決断で大きな流れができるはずだ」と語る。党内には刷新感に期待し、若手・中堅や女性の「第3の候補」を求める声もある。

 代表選は投開票日を9月16日とする案を軸に検討が進んでおり、今月7日の両院議員総会で決定する。 (岩谷瞬)