元五輪競泳選手の萩原智子さんが絵本出版 息子「ママの夢って何」

AI要約

元オリンピアンの萩原智子さんが水泳を題材にした絵本を出版し、山梨県内の小学校に寄贈した。

萩原さんは現役時代にシドニー五輪に出場し、後に水泳普及活動や教育委員を務めるなど、活動を続けている。

絵本の主人公はペンギンの子どもで、勝ち負けだけでなく大切なものを見つける成長物語になっている。

元五輪競泳選手の萩原智子さんが絵本出版 息子「ママの夢って何」

 甲府市出身の元オリンピアン萩原智子さん(44)が、水泳を題材とした絵本「ペンギンゆうゆ よるのすいえいたいかい」(文芸社)を出版した。「初めての絵本。泳ぐ楽しさを多くの子どもたちに知ってほしい」と、山梨県内の小学校に1冊ずつ寄贈した。

 萩原さんは山梨学院大付高(当時)から山梨学院大・同大院に進学。2000年シドニー五輪の200メートル背泳ぎで4位に入賞。メダルには届かなかったが、「ハギトモ」の愛称で親しまれた。引退後も水泳の普及活動に携わり、東京都の教育委員も務める。

 創作のきっかけは昨年春、小学生の長男に「ママの夢って何」と聞かれたことだった。その時は答えられなかったが、以前から温めていた「絵本を作りたい」という気持ちを形にしようと思い立ち、文芸社(東京都)の「えほん大賞」に応募、大賞は逃したが、文芸社から出版の提案があり、実現にこぎつけた。

 絵本はペンギンの子ども「ゆうゆ」が主人公。泳ぎの得意な仲間にあこがれて練習に励み、大会でも活躍するようになるが、成長するとともに勝ち負けを超えた大切なものに気づく内容だ。上手に泳ぐこつも、ふんだんに盛り込んだ。

 「選手時代の私の経験を物語に反映させた」という。

 萩原さんは7月、県教育委員会を訪れ、絵本の贈呈式に臨んだ。文芸社の協力を得て、県内の国公立、私立小学校など188校に1冊ずつ郵送した。

 「私自身、競技での成績は良くはなかったが、たくさんの人に応援してもらって水泳が好きでいられた。本当の強さ、優しさは何か、子どもたちに絵本をみて感じてほしい」と語った。

 32ページ、B5判変型、税込み1650円。(米沢信義)