実は危ないシュノーケリング スキューバや釣りより高い死亡・不明率

AI要約

シュノーケリングが海での事故で最も死亡や行方不明に至る割合が高いことが判明。

磯遊び、釣り、スキューバダイビング、遊泳も事故が起きるが、シュノーケリングが最も深刻。

未経験者でも敷居が低いため知識不足が原因とされ、安全に楽しむための注意喚起が必要。

実は危ないシュノーケリング スキューバや釣りより高い死亡・不明率

 海で溺れたり、流されたりした事故のうち、死亡や行方不明に至った割合が最悪だったマリンレジャーはシュノーケリングだったことが、10年分の事故データの分析から分かった。釣りやスキューバダイビングより事故数は少ないものの、ひとたび事故が起きると事態が悪化しやすいとみられる。簡単な道具で気軽に始められる一方、不意に水を飲んでパニックになる例が多いという。

 海上保安庁のまとめでは、2013~22年に海の事故に遭った人は全国で8329人。朝日新聞はこのデータを独自に分析した。

 その結果、事故に遭った人が死亡したり、行方不明になったりした割合が最も高かったのはシュノーケリングで52%(574人中300人)だった。

 次いで磯遊びが47%(545人中254人)、釣りが35%(2822人中979人)、スキューバダイビングが32%(420人中135人)、遊泳が29%(2162人中626人)だった。

 シュノーケリングは、事故の発生数は少なめだが、唯一5割を超えていた。

 死亡・行方不明になった人を年代別に見ると、50代が65人で最も多く、20~40代と60代がいずれも40人以上いた。10代以下は10人だった。年代を問わず事故に遭っている実態が見て取れる。

 道具さえあればすぐに始められ、初心者でもインストラクターの指導を受ける機会が少ないため、溺れそうになった時の対処法や危険な場所への注意点といった知識がないまま海に入る割合が多い。海保によると、海水を飲んでパニックになるなどして事故が重大化しやすいという。

 シュノーケリング中の事故は、マリンレジャーが盛んな沖縄県や鹿児島県、静岡県などを中心に全国で起きていた。静岡県ダイバーズ協議会の我妻亨事務局長は「岩場などでは、インストラクターと一緒に泳ぐことをまずは考えることが重要。そうでない場合でも、ライフジャケットやウェットスーツなどを身につけたり、危険な海流がないか、現地の人のアドバイスを聞いてほしい」と話す。(山崎啓介)