海の危険 離岸流は「競泳選手が全速力で泳ぐ速さ」 ポイントは、流れに逆らわず仰向けで“身を任せる”

AI要約

夏の水難事故についての対処法を紹介。

離岸流に巻き込まれた場合の対処法。

子どもが溺れた時の対処法。

海の危険 離岸流は「競泳選手が全速力で泳ぐ速さ」 ポイントは、流れに逆らわず仰向けで“身を任せる”

海水浴など水辺で遊ぶ機会が増える季節に、気をつけたいのが水難事故です。いざというときに知っておきたい対処法をご紹介します。

■「競泳のトップ選手が全速力で泳ぐ速さ」の離岸流 どう対処?

海での事故が相次ぐ原因と考えられているのが、「離岸流」です。

沖から岸側へ波が打ち寄せると、基本的には岸に沿うようにして流れができますが、一部では、10~30mほどの幅で沖に戻るような強い流れが発生します。1秒で2m進むこともあるということです。(海上保安庁のHPより)

元競泳日本代表の松田丈志さんによりますと、「秒速2mは、(競泳で)世界のトップ選手が全速力で泳ぐ100mのタイムくらいの速さ」だということです。離岸流に向かって泳ごうとすると、わずかな時間で体力が持たなくなると予想できます。

2022年に海上保安庁が行った調査で、海水に色付けできる着色剤を使って流れを可視化すると、本来なら海岸線に沿って流れるはずが、どんどん沖の方へ広がって砂浜から30mほどの地点まで達しています。

もし離岸流に巻き込まれてしまったら、どうすればよいのでしょうか。

日本ライフセービング協会の松本貴行 副理事長によると、まずは仰向けの姿勢で流れに身を任せるということです。離岸流の場所によっても違いますが、100mほど流されると、だいぶ流れは弱まることが多いそうなので、流れが弱まったのを感じたら、海岸と平行に移動して、離岸流から離れて岸に戻るという動きが大事だそうです。

■子どもが溺れていても「助けに行くのは危険」 ペットボトルなど“浮き具”を渡して

子どもが溺れていた場合、どうすれば良いのでしょうか。

水難学会によると、▼119番の消防署、118番の海上保安庁、どちらでもいいので、まずは通報をする、そして、▼空のペットボトルや、クーラーボックスなど、浮き具になるものを、“陸“から渡すことがポイントだということです。

水難学会の斎藤秀俊会長は「溺れている子どもを助けに行くのは、危険な行為だ」としています。

実際にNスタのディレクターが、溺れている子どもを救助する体験をしてみました。

小学生の女の子が溺れている状況を再現しています。溺れた子どもは、助けに行くと必死に抱きついてきたり、上からのしかかってきたりして、ディレクターも一緒に水の中に沈んでしまいました。

溺れている子どもを助けに行くと、最悪の場合は2人とも命を落としてしまう危険があるということです。