やっとつかんだ初舞台 「失敗」経験し種目変更 競泳・牧野選手〔五輪〕
競泳女子200メートルバタフライの牧野紘子選手(24)は五輪初出場。苦い経験を乗り越えて舞台に立つも決勝進出ならず。
家族に兄弟がおり、水泳教室での始まりから猛勉強家であることが垣間見える。
リオ五輪代表選考会での失敗後、バタフライ種目に転向し新たな道を歩み始める。
競泳女子200メートルバタフライの牧野紘子選手(24)=あいおいニッセイ同和損保=は五輪初出場。
8年前のリオ五輪代表選考会で苦い経験をし、種目を変えて念願の舞台に立ったが、決勝進出はならなかった。
兄と弟がいる3きょうだいで、兄の影響で4歳の時に大阪府内の水泳教室に通い始めた。学校の試験前には練習を積みながら机に7~8時間向かい、「将来は水泳に限らない仕事に就きたい」と口にしたこともあった。
牧野選手が中学2年の時から指導を続ける飯塚正雄コーチ(56)は「当初は感情の起伏があるタイプの選手だったが、20歳ごろから精神的に成熟し感情をコントロールできるようになった」と語る。調子の波を「高いレベルで安定させられるようになった」という。
牧野選手にとって一大転機となったのは、2016年、高校2年で挑んだリオデジャネイロ五輪の代表選考会だ。400メートル個人メドレーでの出場を目指していたが、「結果は失敗」と飯塚コーチ。選考会後の牧野選手の様子について、「人間ってこんなに抜け殻になれるんだと思った。約1カ月は目もうつろで、練習に来ても、心ここにあらずだった」と振り返る。
同年夏、少しずつ前向きになってきた頃にバタフライで泳がせてみたところ、思いのほか好記録を出した。「復活のきっかけ」(飯塚コーチ)をつかんだ牧野選手はバタフライを中心に勝負する道を歩み始めた。