パリ・オリンピック開会式に出演したDJ、誹謗中傷を告発

AI要約

パリ・オリンピックの開会式に出演したフランスのDJで性的少数者の活動家でもあるバーバラ・ブッチさんは、SNSへの誹謗中傷や殺害予告にさらされ告発したことを明らかにした。

開会式でのパフォーマンスがキリスト教団体や極右団体の間で批判され、ブッチさんに脅迫的なメッセージが送られた。

ブッチさんは自身の存在を肯定し、多様性を代表する立場であることを強調している。

パリ・オリンピック開会式に出演したDJ、誹謗中傷を告発

 パリ・オリンピックの開会式に出演したフランスのDJで性的少数者の活動家でもあるバーバラ・ブッチさんは29日、SNS(ネット交流サービス)への投稿で、自身への誹謗中傷や殺害予告などが相次いでいるとして、フランス当局に告発したと明らかにした。告発した相手は明らかにしなかったが、フランス国内外の複数の人が対象になっているという。

 開会式ではブッチさんは女装して踊る「ドラッグクイーン」らとパフォーマンスを披露した。この場面がイエス・キリストが処刑前に弟子たちと食卓を囲む場面を描いたレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐」のパロディーだと受け止められ、キリスト教団体や極右団体などの間ではキリスト教に対する侮辱だとの批判が広がっていた。

 ブッチさんの投稿や担当弁護士の声明によると、出演を機にブッチさんに対し、殺害やレイプなどを予告する脅しや侮辱的なメッセージが相次いで寄せられた。ブッチさんは「最初は落ち着くまで黙っておこうと思ったが、受け取ったメッセージはどんどん極端になっている。すべては私や一緒に出演したアーティストがこの国の多様性を代表したためだ」と説明。「誰に何を言われようと、私は存在する。自分を恥じることはない」と強調した。【パリ金子淳】