パワハラ疑惑の斎藤元彦兵庫県知事、職員に「口止め」「圧力」通達 百条委での証言前に県職員は「逆襲が怖い」

AI要約

兵庫県知事のパワハラや贈答品の強要疑惑について、百条委員会での証人尋問が開始される。斎藤知事の疑惑を追及することで不安を感じる県職員の心境も明らかになっている。

職員は斎藤知事の圧力を恐れ、証言することで公務員としての人生を失うリスクがあると感じている。しかし、本当の事実を語ることが県民のためになるという声もある。

百条委員会に証人として出席する際は許可が必要であり、証言内容は最小限に抑えるよう求められている。証言前夜に逃げ出したくなるほどのプレッシャーがある中でも、配慮や忖度なく事実を述べる重要性が指摘されている。

パワハラ疑惑の斎藤元彦兵庫県知事、職員に「口止め」「圧力」通達 百条委での証言前に県職員は「逆襲が怖い」

 兵庫県・斎藤元彦知事のパワハラや贈答品の強要などの疑惑について、兵庫県議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)の証人尋問が、8月から始まる。斎藤知事やその側近だけでなく、県職員らが多く証人として出席を求められる予定だ。

 兵庫県の百条委員会のメンバーで、斎藤知事の疑惑を追及してきた丸尾牧県議は、こう懸念する。

「百条委員会には、職員が数十人、証人に立つことになるのではないか。斎藤知事のパワハラが大きな焦点であり、証言した県職員に不当な圧力や、人事上で報復を受けたりすることがあってはならない」

■「百条委員会で話せば公務員としての人生を失いかねない」

 実際、百条委員会の証人に呼ばれる可能性がある兵庫県のある県職員は取材に対し、

「斎藤知事のパワハラはすさまじい。気に入らないことを百条委員会で話せばどんな逆襲をされるのか怖くてたまらない。公務員としての人生を失いかねないと同僚も心配しています。事実、元局長はプレッシャーを感じ、お亡くなりになったのではないか。内部告発は核心的な部分で当たっているのは明確です。斎藤知事が責任をとれば、我々、県職員もこんな苦しまなくていいのですが」

 と不安な心境を吐露した。

 実際、斎藤知事はいまも会見で、

「私が県政を立て直す」

 などと続投の意向を表明し続けている。

■百条委への出席は「申請」と「承認」が必要と通達

 そして、7月12日付で、百条委員会に呼ばれるであろう県職員に対して、

〈百条委員会に関する各種服務について〉

 という通達を出していたことも明らかになった。そこでは、

〈職務上知り得た秘密が含まれる事項について出頭、出席の請求があった職員は、守秘義務免除の申請手続きを行う〉

〈対象となる内容は、必要最小限のものとする〉

〈各部総務課宛に申請し、これを各部総務課長が承認する〉

 と、証言内容は最小限にして、さらに事前に届け出が必要だと、口止めともいえる「圧力」をかけているのだ。

「斎藤知事のパワハラなどの報道を見ても、兵庫県の県職員の方々も百条委員会での証言を恐れているはず。私も百条委員会の証言前夜、逃げ出したくなりました。パワハラもあいまって、プレッシャーはすさまじい。でも、経験者として言わせていただくなら、配慮や忖度なく本当のことを語ってほしい。なぜならそれが県民のためだからです」

 と語るのは大阪府池田市の職員Aさんだ。Aさんはかつて、市議会が設置した百条委員会で証人として証言したことがある。