選手に負けるようコーチが誘導発言か インターハイ予選 対応協議

AI要約

埼玉県予選での卓球競技で、私立高校のコーチが生徒に負けるよう促し、問題視される事件が発生。

生徒が意図的に負け、結果的に埼玉栄側3人が代表に選ばれることに。

県高体連は倫理委員会を設置し、指導者への対応について協議中。

選手に負けるようコーチが誘導発言か インターハイ予選 対応協議

 全国高校総合体育大会(インターハイ)の卓球埼玉県予選で、私立高校のコーチが生徒に負けを誘導するような発言をし、それを問題視した県高校体育連盟(高体連)が対応を検討していることがわかった。外部の有識者による倫理委員会で指導者への対応や再発防止策を決定するという。

 問題視されているのは6月7日、上尾運動公園体育館(上尾市愛宕3丁目)であった男子シングルスの試合。インターハイに出場する県代表7人のうち、残り3人の5~7位を決める試合で、埼玉栄3人と県立高校1人の計4人が総当たりで3試合ずつをする予定だった。

 県立高校の生徒は2試合目を終え、2敗していた。この時点でもう一方の埼玉栄の生徒同士の2試合目は試合中だった。一人は1試合目で県立高校の生徒に勝って代表が確定し、もう一人はこの試合に勝てば確定する状況になっていた。

 そこで、コーチがタイム中に、代表が確定している生徒に対し、負ければ埼玉栄の3人が代表に決まるという状況を説明したという。説明を受けた生徒が実際に負け、残りの代表3枠は全て埼玉栄に決まった。この生徒が勝っていれば、3試合目で県立高校の生徒が代表に決まる可能性もあったが、順位が決定したため、県立学校の生徒は3試合目を棄権した。

 3日後、県立高校の生徒からの連絡で問題を把握した県高体連が、埼玉栄側を調査。コーチは経緯を認め、生徒は意図的に負けるようにプレーしたことを認めたという。

 県高体連は7月19日、外部の有識者による倫理委員会を設置。指導者に対してできることも含め、対応を協議中だ。埼玉栄の林昭雄教頭は「負けを指示したわけではないが、相手の選手をリスペクトできていなかった。学園本部にも報告しており、厳正な処置がされることになると思う」と話している。(杉原里美、恒川隼)