“洗う”ではなく“浴びる” 泡の新感覚「シャワーヘッド」が選べる水流で急成長

AI要約

シャワーヘッドの人気が拡大している。美容効果や節水機能が魅力。価格帯も幅広く、ファインバブルを掲げる商品も注目されている。

市場規模が拡大し、住設備メーカーも参入。2024年には183億円に達する見込み。

シャワーヘッドの違いは“洗う”ではなく“浴びる”感覚で、ホテルやビジネスホテルでも採用されている。主な顧客層は30代~40代の女性で、贈答用や自分へのご褒美として購入される。

“洗う”ではなく“浴びる” 泡の新感覚「シャワーヘッド」が選べる水流で急成長

 シャワーホースの先端に取り付けて使う美容系「シャワーヘッド」の人気が拡大している。主な利用者層は20代~50代の女性だが、男性の関心も高まってきた。

 これらのシャワーヘッドは、機能モードを切り替えて水圧の強弱や、超微細の泡が体感できる。美容効果が期待でき、節水機能も備える。価格は商品によって異なるが、3万円台が中心で7万円を超える商品も人気だ。ファインバブル(※)を掲げる商品も多い

 ※ファインバブル=国際標準化機構(ISO)により定義された固有名詞で、気泡のサイズによりナノサイズの「ウルトラファインバブル」とマイクロサイズの「マイクロバブル」がある。

 住設備メーカーのリクシルなど参入企業も増えて市場規模が拡大。富士経済の調査では、2020年に48億円だった市場は2023年に170億円まで伸び、2024年は183億円を見込む。

 ここにきてなぜシャワーヘッドに注目が集まるのか。最大手ブランド「ReFa(リファ)」を持つMTGのブランドマネージャーに聞いた。

■違いは“洗う”ではなく“浴びる”感覚

 「2013年に初号機を発売しましたが、最近はホテルやサウナなどでシャワーヘッドを体験した人も増え、商品への関心が高まったと感じています。通常のシャワーヘッドとの違いは“洗う”ではなく“浴びる”感覚で、入浴後の気持ちが前向きになる方も多いです」

 「リファ」ブランドを統括する加藤寿恵(かずえ)執行役員BEAUTYブランド本部本部長は、こう説明する。

 リファのシャワーヘッドはBtoC(一般消費者向け)だけでなく、BtoB(事業者向け)にも供給している。「外資系高級ホテルからビジネスホテルまで全国4万室以上のホテルでご採用いただいています」(加藤氏)という。

 筆者も別のホテル取材で「大浴場のシャワーヘッドをリファに替えたら利用客に好評だった」という話を聞いた。

 シャワーヘッドの一般向け販路は家電量販店とホームセンターで各3割を占めており、EC(通販)も約2割。別の場所で体験して商品を知っている人が通販で買う傾向にある、という。

 主な顧客層は30代と40代の女性だが、最近は利用者層も広がった。

 「贈答用や自分へのご褒美として買われる方が多く、最も売れるのは12月、次いで5~6月、そして3月です。12月は会社員なら冬のボーナスが入り、クリスマスモードの月。5月は母の日のプレゼントに贈ったり、6月の夏のボーナスで購入されたりしています。3月はホワイトデーや新生活スタートで買われているようです」(同)