不整脈乗り越え、つかんだ五輪 初出場の24歳、いざ出陣 競泳・花車選手〔五輪〕
競泳男子200メートル平泳ぎ予選に出場する花車優選手は、不整脈という持病を乗り越えて代表に選ばれた。
花車選手は家族の応援を力に初めての五輪に挑む若き競泳選手である。
花車選手は食への情熱や家族への愛情、病気との闘いなど、個性あふれる一面を持つ。
日本時間30日午後、競泳男子200メートル平泳ぎ予選に出場する花車優選手(24)=イトマン東進=は持病の不整脈を乗り越え、代表の座を勝ち取った。
家族の応援を背に初の五輪で世界に挑む。
香川県で生まれ育ち、3兄弟の長男。母親の舞さんによると、唐揚げが大好物で、自分で作るほど。コロナ禍で実家に帰省していた大学時代は、弟の勉強を見たり、洗濯をしたりした。中学3年まで習った習字で表彰されたこともある。漢字は一目で覚えたといい、高校は地元の進学校に通った。
最初の異変は高校2年の時だった。練習中に「休みたい」と訴え、診察を受けたところ、不整脈が起きていたことが判明。当時、大きな問題は起きなかったものの、昨年の年明けごろ、手術が必要な状態まで悪化していることが分かった。
すぐに手術を受けたが、周囲の心配をよそに、術後1週間でプールに戻ったという。
そんな花車選手にとって「癒やしの存在」は、13歳離れた三男だ。パリ五輪を決める代表選考会で、三男は、花車選手が好きなドラえもんなどの縫いぐるみと手製のうちわを手に会場に駆け付けた。代表内定後に手渡しし、つかの間の家族の時間を過ごした。
舞さんによると、花車選手は、どこでも寝ることができ、ナーバスになりにくい性格をしているという。かつて、自身も平泳ぎの選手だったという舞さんは「水泳以外に興味を持っている世界があることが強みにつながっている」と話す。
家族に支えられ、この日を迎えた花車選手。間もなくスタートを迎える。