在日米軍を再編し「統合軍司令部」新設へ 日米2プラス2、拡大抑止で初の閣僚会合

AI要約

日米両政府は28日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開催。米国が日本防衛に核を含む戦力で関与する「拡大抑止」を強調。

2プラス2の共同文書では中国、ロシア、北朝鮮の活動に懸念を表明。日米同盟に抑止態勢強化や防衛装備分野での協力が確認。

統合軍司令部の新設や防空ミサイルの生産能力拡大も決定。安全保障分野での具体策を協議し、連携を強化。

在日米軍を再編し「統合軍司令部」新設へ 日米2プラス2、拡大抑止で初の閣僚会合

日米両政府は28日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を東京都内で開いた。米側は自衛隊と米軍の指揮・統制枠組みの見直しを巡り、在日米軍を再編し、部隊運用に権限を持つ統合軍司令部を新設する方針を示した。米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」に関する初の閣僚会合も開催。米国が、あらゆる能力で日本防衛に関与すると強調し、「核の傘」の重要性を閣僚間で共有していることを内外に示した。

日本から上川陽子外相と木原稔防衛相、米国からブリンケン国務長官とオースティン国防長官が出席した。冒頭、上川氏は「国際秩序を守り抜くため同盟を絶え間なく強化し、抑止力を高める」と訴えた。木原氏は「自由で開かれたインド太平洋を維持するため連携を強化する必要がある」と述べた。

2プラス2の共同文書では、中国について「他者を犠牲にし、自らの利益のために国際秩序をつくり変えようとしている」と指摘し、深刻な懸念を表明した。また、ロシアと北朝鮮の軍事協力を非難した上で、「国際的な不拡散体制を損なう」として、大量破壊兵器や弾道ミサイル関連技術が北朝鮮に移転する可能性に懸念を示した。

在日米軍の統合軍司令部新設は、陸海空自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」が令和6年度末に発足するのに合わせた組織再編で、今後日米で作業部会を設置して、具体策を詰める。

防衛装備分野での協力に関し、中距離空対空ミサイル(AMRAAM)と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の生産能力を拡大するため、共同生産を強化する方針も確認した。

拡大抑止会合では中国、ロシア、北朝鮮の核に対する脅威認識を共有し、日米同盟の抑止態勢強化や閣僚会合の重要性を強調した。