「水風船バッティング」で気温10度低下 "日本一暑いまち"で対策

AI要約

熊谷市中心街で暑さ対策の効果を確認する取り組みが行われた。市民や学生らが暑さ対策を考え、実験を行った。

水風船を使った試みでは、子どもたちが水風船を割り、気温が約10度下がった。市民からは好評だった。

ワークショップで使用された気象観測装置を活用し、暑さ対策先進地のノウハウを提供する事業化を目指す。市は今後の展開に期待が高まっている。

「水風船バッティング」で気温10度低下 

 “日本一暑いまち”埼玉県熊谷市中心街で27日、市民らが考えた暑さ対策の効果を確認する取り組みが行われた。未来のまちづくりをクール(涼しく、カッコよく)に考えようと、市が6月からスタートさせた「スマートクールシティワークショップ」の一環。立正大学データサイエンス学部の白木洋平教授らの協力で、暑さ対策の事業化も視野に入れる。

 市民、学生ら約30人が5班に分かれ、班ごとに考えた暑さ対策を試した。人工芝を敷く▽打ち水――などの定番対策から、雪国の消雪パイプにヒントを得た散水ホースの利用など一ひねりしたものも。参加者は実験前後の気温変化を詳細に測定した。

 万平公園で行われたのは「水風船バッティング」の試み。「遊んで冷やせ!」をスローガンに、野球教室に集う子ども7人が1000個の水風船を自慢のスイングで次々と割った。歓声の中、飛び散る水は見る間に地面に染みこんでいく。この日の熊谷市の最高気温は37度だったが、簡易測定の結果、約10度下がった。アイデアを出した上松祥之さんは「はしゃぐ子どもたちが熱いです」と、汗だくになりながら風船に水を入れていた。

 ワークショップの主役は、制作費を数千円に抑えた白木教授考案の簡易型気象観測装置。市は観測手法を確立してデータを蓄積し、「暑さ対策先進地」のノウハウを提供する事業を思い描く。大島英司副市長は「NPOか会社組織か未定だが、今年度中に事業化のめどをつけたい」と話した。【隈元浩彦】